米国・民主党 VS 共和党

世界,日本,雑記

Vol.2-2.4 387    米国・民主党 VS 共和党
2021.2.4

アメリカは2大政党である「民主党」と「共和党」が政権を担ってきた。2021年1月20日に就任したバイデン新大統領は民主党である。

果たして、民主と共和、どこが違うのか?。

評論家・江崎道朗氏が『アメリカは「一枚岩」ではない』と題し、評論を書いている。

江崎氏曰く、

<共和党>は
◆減税と規制緩和による経済活性化や軍事を重視する保守系。
◆支持層 ⇒ 中小企業の経営者に熱心なキリスト教徒

<民主党>は
◆格差是正や環境をテーマに重点をおく、リベラル系。
◆支持層 ⇒ 都市部インテリ層、黒人やヒスパニックなどのマイノリティと労働組合。

この基本的考えの違いが対外政策にも影響する。というのだが、実際影響を及ぼしてきた。

この20年を振り返ると。

◆2001年~ブッシュ(共和党)政権時代
・テロとの戦いを最優先 ⇒ 中東対策に注力

◆2009年~オバマ(民主党)政権時代
・核のない世界を目指す
・世界の警察官ではない
・オバマケアを始めとする内政を優先
    ↓
その結果として中国の急激な軍事拡大を生んだ
・南シナ海の軍事基地の拡大
・中国艦隊の西太平洋進出
・国産空母の建造 進水
・中国潜水艦のインド洋進出
・ジブチに海軍基地建設・・・中国人民解放軍の活動範囲は西太平洋、インド洋、そしてアフリカまで広がった。

◆2017年~トランプ(共和党)政権時代
今までの戦略を全面的に撤回、新たな国家安全保障戦略に着手

<トランプ氏が懸念材料と指摘した内容>
①米国の軍事的優位が失われつつある
②テロよりも中国・ロシアとの戦略的競争が安全保障上の主要な懸念
③中国は軍の近代化、浸透工作を活用し、インド太平洋地域での覇権、地球規模での優位の企て

<対応策として実施したのが>
・中国との戦略的競争への対応を優先し国防費増により、インド太平洋地域での米軍プレゼンスの強化
・日米豪印戦略対話の推進(中国包囲網)
・中国の軍事的台頭抑止のため→経済・技術力への圧力。産業スパイ、中国通信機の締め出し、ハイテク製品への関税強化。

2021年~バイデン(民主党)政権発足
最大の脅威4つを上げた。
①新型コロナウイルス感染症対策
②景気悪化対策
③気候変動対応
④人種差別問題

確かに、トランプ氏就任時矢継ぎ早に新政策を打ち出したように、バイデン氏も就任早々、トランプ時代に不要とした「パリ協定」復帰、イスラム諸国からの入国制限を破棄、マスク着用、国境の壁撤去中止など政策転換を打ち出している。

明らかにトランプ政権とは路線が違う。幸いなことに米国は一枚岩ではない。しかし、ゆっくりもできない。日本は早期に戦略対話が必要だ。と、江崎氏は戦略のすり合わせをすべきだと指摘した。

日本は、早速尖閣諸島の日米安保適用の確認をしたものの、中国への対応はかなり緩やかになることを想定しないといけない。

確実に今までとは違う。日本の場合隣国・中国が最大の懸念材料である。いままではトランプ大統領の対中強硬策を見守りながら対応していればよかったが、これからは積極的に働きかける必要がある。常に戦略のチェックとクワッド(日米豪印戦略対話)の推進を中心に主体的に動かないと、とんでもないことになりかねない。

軍事費の増強を含め、人権弾圧、香港・台湾問題も圧力の一つとして独自の国家戦略を用いることが最も強力な安全保障上の防衛策になるのではないか。

まさかと思うが、間違っても習近平主席を招へいするような考えは完全に捨てることだ。

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