保守 VS リべラル
Vol.2-9.17-612 保守 VS リべラル
2021.9.17
自民党総裁選、ぎりぎりのところで野田聖子氏が出馬を表明した。
出馬宣言時に語った言葉は、
1、小さき者、弱き者を奮い立たせるような政策を考えたい
2、多様性を重んじ、女性、高齢者、障害者が社会の中で生きていける保守の政治を、自民党の中でつくり上げていきたい
自民党をリベラル色に変えようということだ。
野田氏の最初の発言を聞く限り、国家観は感じられなかった。
これで4人が出揃い、“ リベラル VS 保守 ” という構図が鮮明になった。
誰が見ても決して勝てる闘いではない。しかし何故、野田聖子氏は出馬を決断したのか。
考えるに、
1つは、女性初の総理大臣の椅子を将来に繋げるための実績づくりである。党内には稲田朋美氏もいるが、革新系とのからみで保守の旗手としての手腕に疑問符がつけられ、出られるような状況ではない。残るは小池都知事だ。そんな中、今先鞭をつけようということだろう。
2つ目は、保守色が強い高市早苗氏の票を分散するための役割である。と共に、リベラル色の強い野田氏、同じリベラル派の河野氏との合わせた票が、保守陣営の岸田・高市氏の票に勝てるかという党内勢力図の見極めである。
ここに保守VSリベラルの構図が出来上がった。
昨夜、ニュース番組で石破氏が出演していた。
以前から言われているのが安倍・麻生とはそりが合わない。全国の党員には人気があるが、国会議員での人気がない。本人も今回は5回目で勝てない選挙は出ないと宣言していた。そこで、石破氏の持論である
①日本の政治を変える
②党を変える
③自民党を変える
という考えに近い、河野氏の支援に回ることにより自らの政策を実現しようということである。
今回の総裁選は「安倍・麻生」VS 「石破」という代理戦争の様相も呈す。
昨日の産経新聞に櫻井よしこのコラムに河野氏を評した文面があった。
「河野氏の原発論には二枚舌の疑いがある。長年原発ゼロ論者として鳴らしてきた氏は東京電力福島第一原発事故の後、超党派議員連盟『原発ゼロ・再エネ100の会』を設立、立憲民主党の近藤昭一氏と並んで共同代表に就いた。・・・
氏の活動基盤のひとつである同議連はメンバー構成からみて立民が主導し、共産党と社民党が支えている。
河野氏はそうした活動を表に出さず、「安全が確認された原発は当面は再稼働していくことが現実的だ」と述べ、保守的な自民党支持層に近づこうとする。
(中略)河野発言は手を変えた原発廃止論である。口では安全性確保と原発再稼働を言いながら原発ゼロに向けて巧妙に仕掛けている。」と櫻井氏は手厳しい。
小泉進次郎氏をはじめ、若手議員の多くはこの河野氏の考え方に同調する議員が多い。そこに石破氏が支持することになれば河野氏の政策はさらに保守・自民党からは逆の道を行くことになる。
結果として、保守 VS リベラルの闘いとなった。
万が一リベラルに軍配が上がることになれば、衆議院選を控え、日本の政治が大きな転換期を迎えることは確実である。
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