白熱のビッグデータ

世界,日本,雑記

Vol.3.01.02-719    白熱のビッグデータ
2022.01.02

最近NHKが携帯電話のビッグデータを利用して人の流れをモニター、先週の〇〇曜日と比較し、今週の〇〇曜日は何人増えた、とか減ったとかの情報をニュースで流すようになった。

コロナ禍にあってこそ情報の取り扱いがスムーズにいっているようだが、平時においてこのように個人情報を使おうものなら、どこかの党?が「国家の個人データ流用は危険である」などの文句が出そうである。

しかし、データというのは凄いもんだ、処理能力の向上によって活用範囲が飛躍的に伸びた。『データは21世紀の石油』といわれる所以である。

そのデータを活用してビックになったのが有名なGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)だ。ネットにアクセスした個人の趣味などを自動判別し、それぞれの人向けの商品を宣伝するターゲティング広告などにデータを活用することで巨万の富を得た。

たしかに、何かをネット検索した後、しばらくして再度検索画面に戻ると、あっという間にバナー広告がちょっと前に検索した類似商品に代っている。ついついまたそのバナーをクリックするという次第だ。

何ともまあ感心するが、データとAIは先端技術社会を切り開く両輪だといわれるが、AIは自動収集されるビッグデータを取り込み、その情報を基に舜時に提示できるらしい。

凄い時代になっとはいえ、データの利用方法を制御しないととんでもないことに使わる可能性だってあるわけだ。

英調査会社「HISマークイット」によると、中国に設置されている監視カメラは、世界の半数以上にあたる4億台以上といわれている。AIを駆使した顔認証機能などを利用し、国民約14億人を数秒で特定できる水準にあるという。これらの取り組みの名称は「天網」というそうだ。

日本人なら漢字から想像できるので笑ってしまうが、投網で一網打尽にするということだろう。笑っている場合ではない。中国への旅行者はすでに顔面キャッチ済み、国別で分別されデータベースに載っている可能性がある。あ~~恐ろしや!ということになる。

中国は共産党一党独裁の下、膨大なデータを蓄積してきた。そして現在もその管理を一段と強めている。

アメリカは自由放任にしてきたが、国家安全保障上からファーウェイを排除、トランプ大統領の時にポンペオ国務長官が「利用すれば、個人情報が中国共産党の手に渡りかねない」と発言しTikTokの排除に動いたが、バイデン大統領になり撤回された。

逆に中国は、配車サービス最大手の「滴滴出行」の米国上場廃止方針を発表した。同社が持つ中国政府関連のサービス利用データから政府高官の動きを知られる可能性があり習近平総書記が警戒したいう情報がある。

中国・ロシアと日・米・殴は対極にある政治体制である。このビッグデータの取り扱いについてはデジタル経済の信頼性をどう確立するかにある。

DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)、信頼性ある自由なデータ流通を中国、ロシアを含めた国際社会で、個人情報をなどを保護する国際ルールを整備し、データの自由な流通を促す概念を共有できるかだ。

かなり難しい。中国はその動きを警戒したのか、チリ、ニュージーランド、シンガポールなどを巻き込み、欧米の包囲網を回避するかのように自国に有利なルール構築に動き出している。

日本はこの面においても動きは鈍い。

戦後最大の危機は何も、台湾有事=日本有事だけの話ではない。かの第二次世界大戦時のときのようなドンパチではなく、経済安全保障上の脅威である。産・官・学がバラバラになっている時ではない。

2023年G7が日本で開催される。DFFT実現に向けた提案をするようだが、この1年、日本の事前準備が精緻で強固な内容にできるか、日本の手腕が問われる。日本の安全保障上も含めて極めて重要である。

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