嬉しさと悲しみの日々
Vol.3-3.29-805 嬉しさと悲しみの日々
2022.03.29
昨日の新聞にも嬉しいニュースもあれば、悲しい出来事もあった。
嬉しい話
◇ “ 桜満開 ” の知らせ
靖国神社の標本木が20日に開花宣言した。あれから1週間、気象庁は27日、都心と高知市、福岡市でソメイヨシノが満開になったと発表した。
久しぶりに乗った電車。車窓から見える満開の桜。土手の両側に咲き乱れる桜の下、屋台の旗が風になびいていた。いいなあ~日本の春。あっと言う間に咲いて、あっという間に散る桜。
~ 散る桜 残る桜も 散る桜 ~ と詠んだのは良寛禅師だ。
楽しそうな花見に群れる人はとても穏やかである。もう少し長く咲いていてくれてもいいと思うが、せん無いことだ。
あおによし 奈良の都は咲く花の におうがごとく 今盛りなり (小野老)
◇ 2つ目は、米アカデミー賞だ。
第94回アカデミー賞の発表が28日米ロサンゼルスのドルビー・シアターであった。濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』すでに多くの外国賞を取っているが、アカデミーでも作品賞か!、と期待された。う~ん残念。それでも国際長編映画賞を受賞した。
米・映画評論家がテレビで発したコメントは「最近のハリウッド映画、アクション、バイオレンスなど派手な映画ばかり、じっくり見られる良い映画がなかった。その意味で『ドライブ・マイ・カー』は観衆の期待に応えた作品だ」と評価。う~ん、なるほど。
◇ そして大相撲春場所「関脇・若隆景初優勝」だ。
小兵ながら、筋骨隆々、全盛期の朝昇龍や千代の富士を彷彿させる力強い力士だ。欲を言えば最後の優勝決定戦、本人の信条である下から押し上げるような、死に物狂いの押しを見たかったが致し方ない。勝って良しとしよう。新関脇で初優勝、双葉山以来86年ぶりというおまけつきである。来場所からはいよいよ大関とりに向け楽しみになってきた。“ おめでとう~~~!!”
その若隆景、聞いてびっくり。 長男が幕下の若隆元で、次男が幕内の若元春の3兄弟。 祖父は元小結若葉山、父は元幕下若信夫という相撲一家とは驚いた。
◇ 最後は、“ 太平洋一人ぼっち ” ヨットマン堀江謙一氏83歳。
60年前の航路の逆を再現しようというのである。堀江謙一氏はサンフランシスコを26日に出航、2か月半の航海に出た。兵庫県西宮市に到着は2ヶ月半後の6月上旬である。「ゴールに向かってヨットが全速力で進む、この快感が一番だ」と語った。
凄いなあ~、83歳である。太平洋のど真ん中にたった一人ぼっち、星のきれいな夜ばかりではない。危機一髪の嵐もある。何というか凄いの一言だ。
嬉しい話もあれば、悲しい話もある。
◆渋谷スクランブルスクエアにビルから飛び降りた中年の男がいる。巻き添えをくった10代の女性。何があったか知らないが46階から地上まで何秒かかるであろう。その3、4秒の間何を見、どんなことを考えていたであろうか。
◆3年目になるコロナウイルス。オミクロンと名を変え今日も4万人に襲いかかり、61人の命を奪った。悪さは止まるところを知らない。“ 引きこもり ” を推奨し、人との触れあいを禁じた悪魔だ。
◆ウクライナの悲劇は毎日途切れることはない。東部マリウポリはロシアに制圧され、西部リビウにある燃料保管施設は対空ミサイルで破壊された。プーチンは残忍性においてすでに人間ではない。
◆殺人鬼プーチンのお蔭で、囲碁の世界にもロシア排除が及んでいる。何の罪もないロシア料理店に「店をやめろ」と脅迫、暴言、罵声をあびせること数分間。「ウクライナの人はもっと苦しんでいる」と我慢の店主。彼に何の罪があるというのだ。
◆ロシア人に「国に帰れ」の中傷を浴びせる心無い日本人もいる。罪もないロシア人と悪魔プーチンを分けて考えられない日本人がいることに悲しさは倍加する。
思えば、あの東日本大震災の苦難の中でさえ、支援者に気遣いをみせた同じ日本人とは思えない。
今日も喜びと悲しみが交差し、安定なく浮遊した。、、、人間って何だろうと思う。
今、満開の桜、たった7日の晴れやかな舞台。あまりにも潔く散っていく。しばらくすると青々とした葉桜になる。その春のみどりに魅せられる人も多い。来年の春までの長き日、桜は葉っぱにあたるお日様の時間で季節を知り準備するそうだ。
世界は今、ウクライナ戦禍に心を痛める。そんな中、物言わずしてただ美しく咲く。悠久の昔から桜に魅せられた日本人の心がわかるような気がする。花散れば会えるのは一年先である。
『春風の 花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり』(西行)
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