やめろ!ロシア人への嫌がらせ

世界,日本,雑記

Vol.3-4.26-833    やめろ!ロシア人への嫌がらせ

2022.04.26

コロナが蔓延しピークに達した頃、アメリカではアジア系となれば、見境なく暴力を振るわれた。

『コロナウイルスは中国人の奴らが持ってきたんだ。お前らのお蔭で苦しんでいる。出て行け』とアジア系とみると暴力を振るわれる危険があった。

今、日本人がそれをやっている。
腕力での暴力はないが、SNSや電話であるは直接的に言葉の暴力・誹謗中傷が全国的に起きている。

何という悲しいことだ。ある意味その国の民度が問われている。恥ずかしい思いが先に立つ。

今、日本在住のロシア人は、2015年末現在の総数で8,092人。30代から40代が主流だということである。直近では9000人を超えているようだ。

ベラルーシ人は、2018年末現在の総数は326人とそれほど多くはない。

しかし、日頃感じたこともないが、日本人だって世界中に住み名前も聞かない小さな国に住む人もいる。この極東の小さな島国にも多かれ少なかれ何かの事情で住んでいる外国人がいることは普通のことと納得する。

テレビで “ 外国で活躍する日本人 “ のようなタイトルで、取材番組を見たことがある。発展途上国で現地人のために働く日本人や、その国で頑張っている多くの日本人を見ると。概してその国に溶け込み生き生きとして人生を満喫する姿だった。

日本に住むロシア人もそれぞれの事情があって日本に住んでいる。そのほとんどが日本を愛してくれる外国人の一人である。感謝である。

ジイは外国人をみると、生活事情の違う日本に来て、『大変でしょ、不自由はありませんか?どうかこの日本で幸せな人生を送って下さいね』と心の中でつぶやく。

それは日本を愛するが故に、誰からも愛される国であってほしいと願うからだ。

連日報道されるウクライナ戦争とウクライナ人の悲しみの日常が報道される。そのたびに、何とか早く終わらないものかと思うが、ロシア人の苦悩へスポットが当てられることはない。

ロシア人に向けられたSNSの投稿を目にして、東京に住むロシア人女性のA・Pさんは批判されて当然と冷静に受け止める。その上で自身のSNSに、こう投げかけている。

「私たちが本当に戦争を選んだと思いますか」

来日10年目のPさん。母国の家族や、自身の安全を担保するため、匿名での取材だ。

ロシア、サンクトペテルブルクで生まれ。日本のロックギタリスト「MIYAVI」のファンになったことがきっかけで日本文化に興味を持ち、19歳の時に来日し日本の大学に入学した。卒業後も日本に残り、現在は都内の企業で働いている。

2月24日、目覚めるとスマートフォンにロシアに住む友人からのメッセージが届いていた。

「君はロシアを出て日本にいて良かったね」

何のことか分からなかったが、胸騒ぎがした。・・・すぐにインターネットで調べると、ロシア軍がウクライナの軍事施設を空爆したニュースが出てきた。胸騒ぎは的中していた。

その日は仕事が全く手につかなかった。一日中スマートフォンを眺め、ロシア語、ウクライナ語、英語のニュースを読みあさった。

「ロシアが築いてきた世界との関係が、一夜にして崩れて無くなった」

と絶望的心境を語った。

大阪市でロシア料理店を営むハバロフスク出身の40代女性Tさんは「戦争が始まってから、店に『死ね』『ボケ』と一方的に怒鳴られる脅迫電話が何度もかかってくるようになりました。・・・・・。店にはロシア人の女の子たちも来ますが、『あまり外を出歩かないほうがいいね』と話している」

東京に住むモスクワ出身のモデル・N.Kさんは10歳の時に来日。幼少期を大阪で過ごしたが、府内の様子にも変化があるという。 「大阪に住む母が近所のタバコ屋さんに行った時、店のおじいちゃんに『どこの人?』と聞かれたらしいんです。何も考えずに『ロシア人だよ』と答えたら、『出ていけ! 人殺し!』と怒鳴られた。これまでには考えられなかったことなので、母は困惑していました。 私も戦争が始まる前までは『何人?』と聞かれた時、何の違和感もなく『ロシア人』と答えていたけど、いまは正直に言えない自分がいる。先日も美容院で店員さんに聞かれた時、とっさに『ブルガリアです』と答えてしまった」

今、まさに日本に住む罪なきロシア人たちが、非難の矢面に立たされている。

このように、日本に住むロシア人やロシア料理店などへの嫌がらヒートアップするにつけ、ついに林芳正外務大臣も「誹謗中傷することは行わないように」と異例の呼び掛けをせざるを得なくなった。

ただ、こんな事例もある。

都内の大学院で政治学を学ぶロシア人留学生の20代女性・Kさん。 「大学の友人は日本に住むロシア人の状況をわかってくれているので、ロシア人というだけで嫌がらせや冷たい反応をされることはありません。『家族が無事だといいね』と毎日のように気遣ってくれる。

いまのロシアは国民の意思が政府にまったく反映されていない。・・・日本の学生は穏やかで優しいし、こんな時でも学校に来れば楽しく過ごせるので助かっています。、、、日本に住む全てのロシア人がそうであってほしい。

憎っくきは、プーチンである。

 

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