尹錫悦大統領 大いなる勘違い

世界,日本,雑記

Vol.3-8.25-954   尹錫悦大統領 大いなる勘違い

2022.08.25

不安定極まりない韓国・尹錫悦大統領、李相哲・龍谷大学教授が「尹大統領は勘違いしていないか」という産経新聞の論説記事に注目したい。

その内容だが

「北朝鮮が核開発を中断し、実質的な非核化へと転換すれば段階的に応じて大胆な支援プログラムを実施する用意がある」と語った。・・・金正恩を対話に引っ張り出すための戦略かもしれないが、勘違いしているとしか思えない。

まず金正恩政権に幻想を抱いていないか。金氏が核を捨てることはないというのは国際的な常識だ。話し合いに応じるとしてもあくまで危機突破の戦術に過ぎないことも周知の通りだ。

アンドレイ・ランコフ韓国国民大学教授は、文在寅大統領が金氏との首脳会談を控えた2018年3月末に、『北朝鮮が核を放棄するのは “ 集団自殺 ” のようなもので絶対ない』と断言、その理由として
①核開発を放棄した独裁者、リビアのカダフィ大佐の悲惨な末路から学んだ歴史的教訓
②米国の安全保障は信用できない。北朝鮮内部で革命が勃発したとき米国は金体制を守れない
③国際社会の約束はあてにならない。ウクライナは米、英、露の安全保障及び国境保障約束を信じて核武器を返納したが、ロシアはクリミアを併合してしまった
④『基本的な外交手段』をなくすことになる。核を放棄すれば、金正恩は裸の王様になる、、、というものだ。

北朝鮮が、3代にわたって核武装に執念を燃やし、国力のすべてを傾注してきた事実は周知の通りだ。理由はただ一つ、独裁体制を永続させるためだ。金日成政権末期の1994年から国際社会は北朝鮮と非核化交渉を続けてきたが、そこから学んだ教訓は、話し合いは無意味で、約束は相手を油断させる手段だということだ。

話し合いは北朝鮮に核開発の時間的余裕と、国際社会撹乱の隙を与えただけだ。この悪しき慣行を断ち切るための日米など北朝鮮非核化を求める国々は、核を放棄させるための現実的な手段は制裁しかないという結論に至ったはずだ」

たしかにその通りではないか。文在寅・前政権が熱烈な愛?をもってしても動かなかった北の「核」、尹錫悦大統領はあまりにも甘い。素人でもわかる。

もう一つ問題なのは、北朝鮮問題は中国に欧米、日本などが関係する国際問題と化しているのが現実である。今頃、尹大統領が「南北は同じ民族」話せばわかる的な「民族問題」とし、両国で解決できると、勘違いしている可能性があると指摘した。

今回、韓国は北朝鮮から鉱物資源を輸入、代わりに食料供給やエネルギー、農業、医療など全面支援に着手するような「大胆な構想」を実行するためには、少なくとも国際社会の同意が必要である。

何故なら、2016年に国連は「北朝鮮の鉱物資源の輸入を全面禁止する」決議を採択し、北朝鮮の核開発の資金源を断ち切る努力をしている最中である、ということだ。

そもそもこの決議が奏功していないのは決議を遵守しない国があるほか、韓国の北朝鮮政策の一貫性の欠如だと、李氏は手厳しい指摘もした。

その通りであろう。
さらに李氏は、「国際社会の常識に則り世界的な視野で対北政策を推進すべき」とし、最も基本的な勘違いとして「金氏が経済的な繁栄、人民の生活向上を望んでいるとの判断は “ 幻想 ” にすぎない」という。

金氏が核に執着するのは人民のためではない。金政権維持に必要不可欠なものだ。としたうえで、「尹政権は北朝鮮に対話を乞うのではなく、金氏が対話に出ざるをえないような状況をつくり、北朝鮮の変化をうながすような根本対策を提示すべきだ、と提言する。

今、北朝鮮では国境を封鎖した関係もあり、飢えとコロナ、劣悪な生活環境、餓死者が続出しているという情報がある。平壌ですら原因不明の死者が増え遺体処理に困っている。というのだ。

そんな状況を考えると、米国の人権外交、日本の拉致問題などを絡め、人権問題で金正恩体制を追いつめることではないか。と結論づける。

おっしゃる通り、核は絶対離さない。2500万人の国民の人権、その中には拉致被害者もいる。この人権問題を国際社会が追及していく、まさにボディブローのように効いていくのではないか。派手な “ 核実験 ” と違って、金氏が最も苦手とする問題である。

国際社会が人権を前面に改善を迫った時、どんな手を国際社会に示すのか大いに興味がある。国連の科す制裁と人権の両面で追いつめ、金正恩を対話の席につかざるを得ない状況を創り出す。

韓国は国際社会と問題を共有し、北朝鮮交渉のリーダーシップをとれば、自ずと存在価値は上がるのではないか。

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