伝統破壊の「政教分離」
Vol.3-10.13-1003 伝統破壊の「政教分離」
2022.10.13
“ 政教分離 ” 言い尽くされた言葉ではある。統一教問題で再び脚光を浴びている。
日本の場合、「政教分離」をことさら大げさに問題にする。政治家が靖国神社に参拝しても、A級戦犯が祭られているということに加え、政教分離に反すると言う。したがって、ほとんどの閣僚は参拝を控える。
そもそも、参拝を控えるようになったのは1985年8月15日、中曽根首相が靖国神社に参拝した後である。
今までの「私人」としてではなく、戦後の首相としては初めて「内閣総理大臣」の公式参拝となった。これまでの首相参拝は、政教分離の立場から「おはらい」や玉ぐし奉呈など儀式はせず、一礼するだけにとどめていたが、中曽根氏は政府見解を変更し、生花を本殿に供え、代金は公費で支払った。この公式参拝に対して野党各党や中国・韓国などは厳しく反発したのである。
中国・韓国は満を持しての反発であった。その前段には度重なる朝日新聞の靖国批判報道が功を奏し、両国は呼応したのだ。
「(朝日新聞の)靖国神社をめぐる意図的な報道である。朝日は、靖国に関する中韓の内政干渉を招くことをためらわない報道を長年重ねてきた。この結果、総理大臣らの靖国参拝が中韓との外交問題となるに至り、私たち日本人が心静かに戦没者を悼むことを妨げるようになったのである。(H26正論22・榊原智論説委員)
戦後、GHQの洗脳政策の中に、日本神道が日本の強い精神力の根幹をなすと断定。徹底的に日本の伝統的神道精神の破壊をしなければならない。「政教分離」政策によって精神の軟弱化を図ったのである。
麗澤大学准教授のジェイソン・モーガン氏は、でそもそも米国の植えつけた「政教分離」の意図するところは、背景からして全く違う。(産経新聞のコラム10/10)。と指摘する。
その背景とは
「米国は、英国から戦いによって独立した経験から、英国のような国家協会をつくらず、宗教迫害がなく、信仰的多様性が栄えるよう、中央政府が特定の宗教をえこひいきしないよう憲法に条項を設けた」
しかし、日本の場合、歴史的背景は日本の弱体化が目的としてあった。
自虐史観の一環として植えつけたGHQの「政教分離」。あらゆるところで、日本の精神的弱体化、隣国からの攻撃材料、日本分断、伝統破壊、皇室攻撃等々、まさに今日の日本の戦後レジームの根幹をなすものとなった。
J・モーガン氏は今回の、旧統一教会問題にも触れ
「旧統一教会は、日本が過去に朝鮮半島に対して悪いことをしたので、その償いとしても、うちの団体に寄付してくれ、としつこい宗教セールスをした。つまり『反日』が売りの宗教ということだ。日本人を責め、日本人を戒めることがビジネス」だと指摘した。
「政教分離」は「反日無罪」にうまく利用されている。
つまり反日ではないものが批判されるのが日本。
※ 靖国神社は神道。英霊を祀る。反日ではないから「政教分離」を持ち出して批判する。
※ 日本には、日本の美しい宗教伝統が数々ある。しかし、それらを大切にする行事が批判される。その批判理由に「政教分離」を上げる。
モーガン氏は
「 “ 政教分離 ” によって、日本の精神の根が絶たれるのは残念だ。神道は、単なる宗教ではない。祖霊を祀る日本古来の尊い文化で、日本の魂ではないか。日本の生活のなかに深く根付いている。」
このことを理解し、大切に思う日本人がどれほどいるだろう。
「どこの国でも、戦没者の追悼は、その国の歴史や伝統文化にしたがって行われている。結局、日本の生活や文化に根付いている神道まで否定する反日的戦後体制そのものが問題だ」
「・・・日本のことを『神国』と呼んだ。そうした万世一系の皇統を含め、国の歴史を誇り、語れる政治家はどれほどいるのか」と書いている。
こんなことを外国人から指摘される日本人。美しく、誇り高き日本の伝統に目を向けず、欧米崇拝は戦後から一貫している。何と言えばいいのか。
靖国神社に参拝する閣僚に向かってマイクを向け、「今日はどういうつもりで参拝を?」と聞く記者。
「お前、バカじゃないの?日本人が日本の英霊に頭を垂れ、尊崇の念をもってお参りするのは当たり前じゃないか。そう、思わないか?日本人として、どうなんだお前は?言ってみろ!」石原元都知事ならこう反論するだろう。
まさに、「戦後レジーム」は日本精神までズタズタにしたまま、いまだ脱却には程遠い。
戦後から真に脱却し、“ 安倍晋三 ” が唱えた「美しい日本」は蘇るのか。神道の伝統を踏まえ、欧米崇拝からも脱却し、日本のあるべき姿へ、誇りを取り戻せる日は本当に来るだろうか。
少なくとも、日本から日本人による「反日」がなくならない限り無理なことだろう。
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