日本は発酵王国
Vol.3-10.25-1015 日本は発酵王国
2022.10.25
‘ Napa Valleys ’ of Japan: Fermentation Tours as New Attraction.
(日本の“ナパ・ヴァレー”:発酵ツアーという新たな旅の楽しみ方)
英語ニュースオピノンサイト「JAPAN Forward」でこの1週間、最も読まれたのが、日本の発酵文化をテーマにした記事だったというのだ。
上記の英文の見出しが記事のタイトルである。
「ナパ・ヴァレー」とは、ワイン通のかたならすぐお分かりだと思うがカリフォルニア州の名高いワイン産地である。
ところで<日本の発酵食品>とは
- 米を使った「酒」
- 大豆、麹、塩が原料の「味噌」「納豆」「醤油」
- 米ぬかと塩を混ぜ、そのなかに野菜を漬けて発酵させた「ぬか漬け」
- くさやは、魚類の干物の一つで、クサヤモロなどの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の匂いや風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにした食品.
- 紅茶・ 烏龍茶 などの発酵茶
などが日本の発酵食品だが、海外にも、チーズやワインなどの発酵食品は多くある。なぜ、日本の発酵文化に関心が高まっているのか。
米国でたまり醤油の製造・販売をするSan-J Internationalの佐藤社長によると、日本の発酵文化には豊かな歴史があり、世界で最も洗練された文化のひとつであることを、海外の食の専門家たちが発見したことが大きい。ということらしい。ありがたいことだ。
そこで、日本の発酵食品文化とは、どういうものなのか。
世界の他の地域と比べて特殊な面があるという。
まず、日本で発酵食品をつくるときの代表的な菌はアスペルギルス・オリゼーという学名を持つ麹菌だが、この麹菌は、事実上日本特産ということだ。
そこでその<麹菌>の説明があった。
「麹菌(ニホンコウジカビ)とはカビの一種で、食べ物を腐敗させるカビではなく、毒素や嫌な匂いを出さない世界でも珍しい日本にしかいないカビです。 まさに国菌です。 麹菌は米に付いて増殖したものを米麹、麦に付けば麦麹、豆に付けば豆麹となり、酵素のチカラで栄養を増やしたり、旨味や甘味を増やして発酵食品を作る」ということで、日本にしかないと言うのが凄いじゃあ~りませんか。
そんなところが研究者の興味をさらに高めたのかもしれない。
「もっと深く知りたい」「日本の発酵食品づくりを体験したい」
など海外でのそうした声に応えて、佐藤さんらは「発酵ツアー」なるものを企画したというのだ。
嬉しい話ではないか。時あたかもコロナ規制が緩和され、海外からの旅行客が増えだした。Goodタイミングである。
米国からはミシュランの星つきレストラン・シェフや食の評論家、飲食業界関係者に加え、趣味で食品づくりを楽しむ人ら総勢23人が来日。10月8日から10日まで、富山から福井、金沢をめぐり、実際に納豆や醤油、味噌、鮨、酒づくりを担う製造元を訪ねたようだ。
参加者たちからは「糀を使った発酵の可能性は無限だ」「ヴィーガンの食品づくりに糀はピッタリ。もっと深く学びたい」といった反応が寄せられていると言う。
日本人が日本食から徐々に遠ざかる傾向にあって寂しい気がしていたが、海外の人に日本の良さを再発見をされ、再び自国の良さを見直す。日本文化への愛がよみがえれば嬉しい。
最近、人気のテレビ番組で「ワタシが日本に住む理由」というのがある。
その一人に味噌好きのカナダ人がいた。
カナダ出身のジョン・ギャスライトさんは日本に住んで37年。海岸に流れ着いた下駄を拾ったことをきっかけに日本に興味を持った。祖父の誘いで木登りを始め、ツリーハウスを手作りしたことで人生は一変!戦国三英傑の本を読み、「侍の国 尾張に行こう!」と決意し日本へ…現在、愛知県瀬戸市に暮らし、ツリークライミングの指導をしている
味噌好きが高じて使用済みの大きな味噌樽で家をつくった。味噌樽でできたツリーハウスの壁から何年経っても味噌が湧いてくるという。人からは「味噌臭い外国人」と言われたそうだ。
番組の最後にゲストに必ず質問する。
「日本に物申したいということがあればどうぞ、、」と。
多くのゲストが『日本の良き文化を日本人がもっと大事にしてほしい』という。
今の日本、外国人に日本の良さを再発見させられる時代になった。
日本人の米の消費量も少なくなった。みそ汁も飲まなくなった。
ジジイには孫がいる。大人になって辛口・南部美人を側に、
『おらあ~、ナスのぬか漬けとみそ汁、それに納豆があればなんもいらねぇー』
そんなセリフを聞きたいものだ。生きていればの話だが、、、。
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