利用された行政文書疑惑

日本,雑記

Vol.4-3.26.1119  利用された行政文書疑惑

2023.03.26

平成27年2月のことだ。

今国会は、8年前の「行政文書」の中の高市大臣が関わる4枚の文書を問題にしている。

本来「政治的公平」であるべき放送法の解釈に関与したとして立憲民主党・小西洋之参議院議員が、当時総務省だった高市早苗経済安全保障担当相を執拗に追及している。

「・・・文書」というとつい映画好きのジイなどは「ペリカン文書」を思い出すが、立憲民主が問題にする「行政文書」なるものは何ともミステリアスである。

1、何故、8年前の総務省の文書(メモ)が今、急に問題として浮上したのか?
2、ロシアや中国であるまいし、今日の報道において行政の圧力等で報道の自由が疎外されているとは思えないが?
3、放送法第4条の解釈変更?急に言われてもピンとこない

まず、思いつくのは以上のようなことだが、そんなトラブルがあるとは寡聞にして知らない。相変わらず偏向報道は野放しだが、それに関しては誰も文句を言わない。小西氏にはその偏向報道を是正するような『議員立法でも起案』し『立憲民主ここにあり!』という気概を見せてほしいがそんな気はないようだ。

いつになったら、自民党の対抗勢力として国民が安心して任せられる党になってくれるのか、相も変わらずあら探しの日々では、国民を欺き給料泥棒のような “ ガーシー議員 ”と変わらないではないか。野党第1党が支持率8%では話にならない。政策で対抗できる政党にいつなってくれるのであろうか。

ところで問題の放送法第4条だが
『放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと
二 政治的に公平であること
三 報道は事実をまげないですること』

とある。

高市大臣は、自分に関わる4枚の文書の中で「放送の公平性を阻害する関与があった」と立憲の小西議員は追求している。高市大臣は一貫して指摘の文書は不正確であると否定。

当初は “ 捏造 ” といい、自らの進退を口にし油を注いでしまったが、その後 “ 捏造 ” との言葉は使わなくなった。松本総務大臣も「行政文書には間違いない」としたが、「文書の正確性を確認できなかった」と答弁。高市大臣も「私の考え方は変わらない」と否定している。

この問題に関して、与党から応援でもあるのかと思いきや、どちらかと言えば、孤立無援の空気が濃い。中には高市氏のタカ派的な部分を敬遠する向きがあるのかもしれないが、
ネット情報には
「身内からも辞任を求める声が上がっている」とか、官邸関係者によれば、林芳正外相や茂木敏充幹事長が岸田総理に「辞めさせた方がいい」と進言したとか、まことしやかに情報が飛び交っている。

今月発売されたWill5月号に
~『独占手記』捏造です!事実に2つなし ~ として高市大臣の特別寄稿がある。

小西氏のいう高市大臣が関わった「行政文書」4枚だが、
◆第1の文書
「高市大臣レク結果(政治的公平について)」というメモ
これには、(記録者を含む情報流通行政局3名と大臣室3名の名前あり/配布先から事務次官や大臣室は省かれている)
◆第2の文書
「大臣レクの結果について安藤局長からのデブリ模様」という平成27年3月6日付のメモ(作成者不明/配布先不明)
◆第3の文書
「高市大臣と総理の電話会談の結果」という平成27年3月9日付のメモ(作成者不明/配布先不明)
◆第4の文書
「山田総理秘書官からの連絡【政治的公平の件について】」という平成27年3月13日付のメモ(作成者不明/配布先不明)・・・(Willより)

というものだが、国会で進退をかけて議論する対称とする行政文書が、「作成者不明/配布先不明」という代物であっていいのか、と素人ながら思う。

記者会見で松本総務大臣は
●相手方の確認をとるなど正確性を期する手順がとられないことは判明しており、
●関係者から既に聞き取ったところによれば、認識が異なることも判明しており、
●正確性が確認できないものがあることが判明していると認識しています。

と説明している。しかしマスコミ各社はこの部分は “ 報道しない自由 ” という権利を行使してか、一切報道していないというのも、公平性を欠く意図的なものを感じる。

この文書が作成された平成27年以降も行政文書の改ざん等の問題が発生している。そのため、平成29年12月に、行政文書の正確性を確保するために、『行政文書の管理に関するガイドライン』が改正された。

それが
<・文書の作成に当たっては、文書の正確性を確保するため、その内容について原則として複数の職員による確認を経た上で、文書管理者が確認するものとすること
・外部の者との打ち合わせ等の記録の作成に当たっては、出席者による確認を経るとともに、可能な限り、当該打ち合わせ等の相手方の発言部分についても、相手方による確認等により、正確性の確保を期するものとすること>

このガイドラインに今回の「メモ」は十分耐えるだけの要件をそなえているとは思えない。

この行政文書に関して作家・門田隆将氏の寄稿文(Will5月号)が面白い。

・・・現総務省は特殊事情を抱えている。という。
旧郵政省、旧自治省、旧行政管理庁の官僚たちが集まった総務省は、常に内部で熾烈な権力抗争が行われている。特に「旧郵政省」対「旧自治省」の争いは知る人ぞ知る。・・・というのだ。

時は大分県連で補選が始まる。前回落選した「磯崎氏」が名乗りを上げる可能性がある。(という情報に敏感に反応した)

「当時、総理補佐官だった磯崎氏は偏向報道に対して放送法をもちいて改革を促そうとしていた・・・磯崎氏は旧自治省出身で旧郵政省の官僚たちにとっては許し難い存在。この政界復帰を阻止したい。」

という裏話だ。まさに松本清張バリの社会派ドラマがあるというのだ。

門田氏はもう一つ
「高市氏の予想外の反撃で、逆に文書の信ぴょう性が注目され、小西氏に内部文書を渡したのは誰かという国家公務員の守秘義務違反や、さらには公文書偽造の疑いまで出てきてしまったのだ。つまり第二の外務省機密漏えい事件(西山事件)の恐れが出てきたのである。」と、この『行政文書』の主役が、小西洋之氏に向かう可能性を示唆した。

果たして、門田氏の視点が的を得ていれば、潮流は大きく変わる。政界の権力闘争に嫉妬等、メディア報道は変容するのかも興味深い。

ペリカン文書ならぬJapan’s行政文書。事件は新たな展開を見せるか。

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Posted by 秀木石