クリスマス
Vol.1-12.26-347 クリスマス
2020.12.26
なんの違和感もなく幼いころからクリスマスを楽しんできた。
小学生の頃だったか、クリスマスの夜は枕元に靴下を置いて寝ると、サンタクロースが夜やってきて、プレゼントを入れてくれるということを信じて楽しみにしていた記憶がある。
朝起きると、ミカンとちょっとした駄菓子が入っていたような気がする。
今では違和感なくクリスマスを楽しんでいるが、そもそもクリスマスは「キリストのミサ」という意味で、一部の教派が行うイエス・キリストの降誕祭。あくまで誕生を祝う日であって、イエス・キリストの誕生日ではない。
果たしてこの風習、いつ頃から入ってきたのか。
どうも明治時代のようで意外と古い。
ジイは大東亜戦争の敗戦でGHQがアメリカ文化を広めようとしたのではないかと穿った見方をしていたが事実は違っていた。
今では、日本人にとってクリスマスは年中行事のひとつとなっているが、もともとキリスト教の行事であったクリスマスが、いつから信者でない日本人に祝われるようになったのか。
祝うというより欧米への憧れもあったのだろう、年末の明るいイベントとして「ちょっと楽しむ異国風」がよかったのではないかと思う。
日露戦争に勝ち、日本が国際社会の一角を担った頃から定着したようだ。「キリスト教徒でもないのにクリスマスを騒ぐ」という風習、祭り好きの日本人が明治維新のころから西洋に追いつき追い越せと思ったころから徐々に広がったクリスマス。
クリスマスはもともと西洋のお祭りである。何だか楽しそうだし、西洋の文化を取り入れなければ世界から遅れてしまうという風潮があったのか、庶民レベルで楽しむには手ごろなお楽しみの一つになった。堅苦しい決まりもなく、適当にアレンジしたのが日本型クリスマスだ。
日本古来のお祭りではないので、宗教的儀式としても捉えているふうはなく、日本人の場合、祭りという感覚さえない。何かを楽しむきっかけとしているにすぎない。
そこに目をつけた業者が便乗して経済活動につなげようといろんな企画やイベントで商売をたくらむ。と変遷したのが今の日本のクリスマスだ。
ハロウィンやバレンタインというのもよく似たものだ、いつの間にか誰かが楽しみの材料とし、業者がそれに火をつけ徐々に広がっていく。
そのクリスマスだが、日本風に祝いだして、すでに100年を超えている。誰もそこに伝統を感じないのも日本クリスマスの特徴。それだけ気軽なイベントだということだ。
クリスマスもハロウィンもバレンタインデーも牽引車はいつも若者。
“ クリスマスイヴ ”というロマンチックな響きと飾り付けの美しさも相まって恋人たちの夜を演出するにはぴったりのイベントとなった。
日本にはない華やかさの中にもキリストという厳かさがハロウィンとは違う落ち着きが万人に浸透した所以であろう。
キリスト教の国と日本のクリスマスの過ごし方は当然違うようだが、もともと宗教意識の希薄な日本人、いまでは歌、映画、コマーシャルソング、日本の文化となったといっても過言ではない。
“ 明るく楽しむ ” それでいいじゃないのということだ。
我が家のジジババ・クリスマス、腰痛に高血圧、孫にも会えずクルシミマスだった。