百田尚樹の日本国憲法(3)
Vol.2-1.31 383 百田尚樹の日本国憲法(3)
2021.1.31
憲法改正は本当にできるのであろうか。
あれだけ改正に意欲的だった安倍前総理ですらできなかった。何故か絶望感が漂う。日本国民は、もし日本が中国領になっても平和な暮らしができるとでも思っているのでしょうか。チベットやウイグルの現実を見る現実は悪夢である。
日本国民の愛国の意識は他国に比しあまりにも希薄である。その意味でも永世中立国スイスがうらやましい。
日本にはびこる反日日本人。その存在はあまりにも大きい。
日本の憲法に最も詳しい「日本の憲法学者」が日本の憲法を誇りにしていないのも悲しい。
百田氏に言わせると日本の憲法学者は、中世の神学者に似ていると言う。憲法違反だ!と文句は山ほどつけるが「日本が21世紀を生きる日本人の生活や幸福に適しているか」ということにはまったく関心がないというのだ。
彼らに大事なことは日本国憲法に合憲か、違憲かであって、それ以外関心がないそうである。
そう言えば、集団的自衛権の問題で国会に野党から招致された憲法学者・小林節氏が議員を見据え「憲法違反です」と発言したことを思い出す。
日本には「9条を掲げて不戦を唱えれば平和は続く」という9条信者が多数存在する。「平和主義者」を自称し、護憲を訴える人たちの意見は基本的に同じ【軍=悪】の思想にある。それでいて中国の軍拡には実に寛容である。
現在では左傾化した朝日新聞を始めとする新聞、雑誌、TVなどに洗脳された主婦層が「安保関連法反対するママの会」などと称した組織すらあるらしい。彼らに共通するのは憲法9条を盲信、自衛隊海外派遣反対。平和を希求しているのであろうが、中国、北朝鮮を喜ばせるだけであることを知ってのことであろうか。
以前、防衛議論で、敵基地攻撃が話題になったことがあった。
先導する朝日新聞は、2002.4.20に「武力攻撃事態」って何?というQ&A方式の記事を掲載した記事で
Q:「ミサイルが飛んできたら」
A:「武力攻撃事態ということになるだろうけど、1発だけなら誤射かもしれない」・・・と掲載したのだ。
1発目は最も慎重かつ効果的に撃つものである。
朝日新聞は自衛隊の装備強化は反対するが、何故か、他国のミサイル開発には寛容である。筋金入りの反日である。
拉致された現場にもし居合わせたとして、法律の専門家は、
「不審船の甲板に拉致された日本人がいて、助けを求めたら、自衛隊は救助のために攻撃できるのか」と聞いたところ憲法9条で攻撃できないという。
目前で捉われている自国民を救えない憲法のどこが「平和憲法」なのか。このことを考えただけでも普通の人間なら変えなくてはと思うのではないか。
それが、改正になかなか進まない。
安倍前総理が首相になって一気に進むと期待した憲法改正。安倍氏退場でさらに遠のいた。自民党の中で、実は「本気で憲法改正を考えている人はいない」と言う衝撃的な百田氏の発言である。
この言葉を聞いてしばらく言葉を失った。
確かに、冷静に考えれば国会議員の55%以上、394人が自民党議員である。この議員が本気になって変えられないようなものはない。そういうことなのだ。
「旧民主党系や共産党は100%クズ。自民党ですら80%はクズだ」と言い放つ。
アメリカ議会は「香港人権・民主主義法案」と「ウイグル人権法案」を可決したが、日本に中国と対峙する政治家はほとんどいない。未だに習近平を招こうとしている日本の政治家は、世界的にみてとてつもなくレベルが低い。と手厳しい。
確かにそうかもしれない。祝日に国旗さえ上げられない日本人に愛国心があるとは思えない。学校現場で誇りを持って国歌を歌えなくしたのは誰だ。その子供が大人になってどうして国を愛し、国の将来を真剣に考えることができるのか。
ジイは教育が大事と考える。今の文科省が癌である。
憲法の改正が実現する暁にはまず前文を日本を彷彿させるものにしてほしい。これは本誌に掲載されているものではないがいくつかの案の中で、産経新聞社の前文がなかなかいい。
現在の<日本国憲法前文>
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。・・・・この前文、日本の香りのかの字もない。
<産経新聞社・憲法前文案>
日本国は先人から受け継いだ悠久の歴史をもち、天皇を国のもといとする立憲国家である。
日本国民は建国以来、天皇を国民統合のよりどころとし、専断を排して衆議を重んじ、尊厳ある近代国家を形成した。山紫水明の美しい国土と自然に恵まれ、海洋国家として独自の日本文明を築いた。よもの海をはらからと願い、和をもって貴しとする精神と、国難に赴く雄々しさをはぐくんできた。
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日本国は自由主義、民主主義に立脚して、基本的人権を尊重し、議会制民主主義のうえに国民の福祉を増進し、活力ある公正な社会を実現する。国家の目標として独立自存の道義国家を目指す。人種平等を重んじ、民族の共存共栄をはかり、国際社会の安全と繁栄に積極的に貢献する。
われら日本国民は、恒久平和を希求しつつ、国の主権、独立、名誉を守ることを決意する。これら崇高な理想と誇りをもって、ここに憲法を制定する。
まあ、一風変わった百田憲法、一読をお勧めしたい。