相模原事件

雑記

Vol.3-17-63  相模原事件
2020.03.17

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年7月、入所者の男女19人を殺害、職員を含む26人に重軽傷を負わせた事件。

<本日判決が出た>
「犯行は、計画的に敢行されたものであり、動機との関係で一貫した合目的的なものであったといえる。とりわけ19名もの人命が奪われたという結果が他の事例と比較できないほど甚だしく重大であることである。この一事からして既に、犯情は誠に重いというほかない。」
とし、死刑が宣告された。

最終意見陳述で、「どんな判決でも、控訴しません」と話していた事を勘案すれば死刑は確定したとみていいだろう。

以前にこの異常者が職員として勤務していたこと自体が信じられない。

事件から3年半後の公判においても、反省どころか、その考えは少しも変わらなかった。

「どうして殺したのか」という質問に
・「社会にとって迷惑になっていると思った」と語った。
この回答にして常識的人間とは思えない。
この発言を聞いて、多くの人がこの人「気が狂っているんじゃないの?」と思うのが常識ある人間の率直な感想ではないか。

被害者の質問にも
・「亡くなられた方々には誠に申し訳なく思います」と言いつつ
・「意思疎通ができない人は社会の迷惑になっている」
・「殺した方が社会の役に立つと思った」
・「彼らの世話をしている場合ではないと思った」

被害者の遺族が幸せですかと問うと
・「幸せではありません。面倒だから、不自由だから」

と何の躊躇もなく応える被告人。

いかなる経過をたどって、障害者は「不要」「安楽死させるべき」などという考え方を持つに至ったのか、裁判で明らかにされることはなかった。

「ブレードランナー」という映画を思い出す。
 レプリカントと呼ばれる人造人間がテーマだ。このレプリカントは数年後には感情を持つ人間になるという設定だが、刑の執行までには時間がある。果たして、この被告は人間本来の感情が芽生えることがあるのだろうか。人間に戻れる可能性を秘めた興味深い時間が残された。

虚しさだけ残るが今度の事件、公判で被害者は「被害者・甲B」「被害者・ZC」と呼ばれた。被害者には過酷なことなのだろうが、裁判が感情を排したように聞こえ空しさを感じた。そんな中、お一人「美帆ちゃん」と名前だけ公表されたのには救われた気持ちになった。

今回の事件前、被告には犯罪を匂わせる言動があった。
過去の事例をみても犯罪を起こす人間にはどこか共通の予兆がある。
日本人はどちらかというと、性善説に立つことが多いが、ちょっと過激な言動が目立つ人間の、予告めいた発言に、私たちはもっと敏感になるべきだと思う。今回の事件から学習しなくてはならない課題は多い。
判決が出て、それで終わりとしてはいけない。

 自民党の元参院副議長・山東昭子氏は、犯罪を予告した人物や再犯が懸念される性犯罪者らに対し、GPSを捜査に活用することも含めて検討すべきと、産経新聞は伝えているが、すでに外国での運用はある。
もっと範囲を広げ具体的に議論を進めるべきである。死刑制度よりもよほど抑止力があると思う。

ブログランキング・にほんブログ村へ

雑記雑記

Posted by 秀木石