カラスの勝手じゃろが!
Vol.2-12.23-709 カラスの勝手じゃろが!
2021.12.23
♯~か~ら~す なぜなくの~ からすはや~ま~に~~
か~わいい 七つの子がいるか~ら~よーーー♭
こんなかわいい童謡を歌って「からす」にも思いをはせたのは遠い昔の話だ。
今じゃやっかいもののカラス。なぜそうなっちゃったのか。カラスの世界も人間と同じ飽食の時代に入ったのだ。
「ニュースなカラス、観察奮闘記」を出版された東大名誉教授で鳥類学者の樋口広芳さんへの取材記事が実に面白い。(産経新聞・長辻記者)。
まず、最初に「カラスに匹敵する頭脳を持った鳥はいません」という驚きの発言だ。
カラスは、何でも食べる雑食性。木の実や草の種子などの植物から、肉、魚、鳥、ヘビ、動物の死骸な何でも食べる鳥。時には、ロウソクや石けんなど変わったものまで食べるのがカラス。
一時、都会にカラスが増え過ぎて、石原都知事の時だったかカラスの駆除をしたような記憶がある。
カラスが都会に集まるようになったのは、高度成長期を経て飽食の時代と言われ都市の生ごみが増えていったことに起因する。その飽食のおこぼれを幸いに、カラスたちはいつ、どこで、どんな食べ物が手に入るかを学習していったようだ。
ところでテレビでも報道されるように、カラスの優れた知能にはびっくり仰天せざるを得ない。
◇ 車ガラス・・・クルミの殻をタイヤで割らせる
◇ 置き石ガラス・・・「貯食」する時にどけた石を線路に載せる。(※貯食→食べ物の一部を隠しておいて後で食べる)
◇ 銭湯ガラス・・・煙浴に通う(煙で身体を消毒する)
◇ 石鹸ガラス・・・風呂場に入って石鹸を盗む
◇ ボヤガラス・・・神社から火のついたろうそくを持ち去る
◇ 水道ガラス・・・水道をひねって水を飲む
カラスが石鹸やろうそくを好むとは初めて知ったが、“ 水道ガラス ” には驚いた。この映像はテレビで見たことがある。
何という頭脳の持ち主であろうか、公園の噴水型の蛇口をくちばしでつついて、いとも簡単に水を出す。それが絶妙の水量なのである。水浴びの時は激しく噴き出して身体を洗うそうだ。驚き以外のなにものでもない。
我が家の赤鬼(Wife)が一度カラスに頭をつつかれたことがあったが、どうも攻撃をするときは、子育て中で子どもが近くにいることが多いようだ。確かに雑木林を自転車で通過するときだった。カラスが危機を感じるのだ、赤鬼の眼も鋭かったに違いない。
さすが水道の栓を回すのはめずらしく、海外では例がないようだ。誰かのコメントではないが、これで締めてくれれば完璧なのだが、、、節水はカラスの倫理にはない。
カラスの能力?か習性なのか「貯食」がある。隠す場所は、落ち葉や土の中、木の洞、建物のすき間などのようで、食べ物が足りない時に隠した場所に取りにいく。おまけに、腐りやすいものから先に食べるというのだから驚く。
頭脳明晰なカラスだが、脳の発達の度合いを示すものの中に「脳化指数」というものがある。脳化指数とは、動物の体全体の大きさに占める脳の大きさの割合を示したものだ。
1位・・・人 ⇒ 0.89
2位・・・イルカ ⇒ 0.64
3位・・・チンパンジー ⇒ 0.3
4位・・・カラス ⇒ 0.16
5位・・・犬 ⇒ 0.14
6位・・・猫 ⇒ 0.12
7位・・・スズメ ⇒ 0.12
てなわけで、カラスは鳥類でもダントツである。これほど頭がいいのだがどうしても好きになれない。真っ黒で、可愛いくもない。ましてやゴミをまき散らすという悪行が目に焼き付いている。
童謡に歌われたように、里山付近で、カア~カア~と鳴きなが、「・・・烏の寝どころへ行く とて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり・・・」と詠まれ万葉の時代。さぞかし風情があったことだろう、、、約1000年の時を経て、追っ払おうとすれば、人の動きを見透かすように軽く身をかわし少々高い木にうつる、“ ここまできてみな ” と言わんばかりに黒い瞳で笑う。何とも嫌なヤツである。
“ 憎まれっ子世に憚る ” というが、現代のカラスを見て清少納言は何と詠むであろうか。
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