中国・いつまで「ゼロコロナ」

世界,日本,雑記,習近平,陽性患者

Vol.3-4.15-822    中国・いつまで「ゼロコロナ」

2022.04.15

中国の「ゼロコロナ政策」解除の見通しが一向にたたない。

ゼロコロナ政策とは文字通りロックダウンを行うことで完全にコロナを封じ込めようということだが、オミクロン株という変異株の出現により見通しに狂いが生じている。

3月28日、中国の最大都市・上海がロックダウンされた。
上海の感染者が膨大な数に上ったかというとそうではない。26日の陽性患者は2,678人、内無症状は2,631人。東京の感染者数は7746人に比しほぼ1/3である。人口は東京の2倍以上2600万人の大都会、それがいきなりロックダウン?である。

症状がある人は47人、2631人が無症状、これで2600万人の大都会をロックダウン・・・するか?習近平さん、血迷ったかと思うほどびっくりである。

中国のロックダウンは生易しいものではない。有無を言わさず、外出禁止である。

なぜ、これほどまでの過剰な封鎖措置をとったかということである。

評論家・石平氏によると、先月30日、上海トップの共産党委員会食、李強氏が党幹部大会で、「習近平総書記重要指示の貫徹」を呼びかけていることからも、完全に習総書記の指示によるものだという。

この方針は、3月17日の共産党政治局常務委員会で行った「重要講話」にある。

講和の中で習氏は、「ゼロコロナ」政策の有効性を自賛した上で、この政策がもたらしてきたコロナ封じ込めの成功は「社会主義制度の優越性の表れである」と強調した。

2020年の武漢での新型コロナ感染拡大以来、周近平政権は一貫してウイルスの完全撲滅を目標とする「ゼロコロナ」政策を実施してきた。

その結果、20,21年の2年間、欧米世界が感染拡大で混乱する中、かなり成功を修めた。こうした中で、「ゼロコロナ」政策はいつの間にか習政権が世界に誇りたい一枚看板の政策となった。

さらに、自由の剥奪と人権無視の上でこそ成り立つ中国流の封じ込め策は逆に「社会主義制度の優越性」の証明ともなった。したがって「ゼロコロナ」政策を放棄することができなくなった。というわけである。

この一枚看板を捨てることは「社会主義制度の優越性」すら否定することになりかねない。

という理屈になる。

ところが昨年末から、新たに出現した「オミクロン変異株」によって完全撲滅は不可能に近い。世界は共存の道をすでに選びその方向に進んでいるが、いまだ「ゼロコロナ」政策を変えようとしない中国。

その歪は、中国経済に大きな打撃を与え始めている、そこにウクライナ戦争が追い打ちをかけた。

出口を見失った中国。ウクライナ戦争でロシアの同胞と見られすでに世界の警戒感は一段と高まり投資家の資金流出が「空前」といわれるほど激しい。

工場停止は相次ぎ世界のサプライチェーンにも多大な影響を与えている。

コロナウイルスにウクライナにロシア、まさに三重苦の中、秋には習総書記が最も力を入れている総書記3期目を狙う大事な党大会を控える。

まさかとは思うが、八方ふさがりになったとき、とんでもない方向へ暴走しなければいいがと心配する。そのときは日本も無傷ではいられない。

年初に予想した通り、今年は本当に激動の2022年となりそうである。

黒澤映画「隠し砦の三悪人」ではないが、やはりその火種は「独裁国家の三悪人」ロシア・中国・北朝鮮だった。300年後この題材で封切られる映画は、特別招待客優先でお一人様300億円、月ステーションで上映されているかもしれない。

    

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