『ロシアに降伏したら・・・』

世界,日本,雑記

Vol.3-5.6-843   『ロシアに降伏したら・・・』

2022.05.06

『ロシアに降伏したら地獄が待っている』

―――同じ経験をしたから理解できるウクライナが降伏しない理由―――

駐日ジョージア大使・ティムラズ・レジャバ氏は上記タイトルで、WiLL6月号に寄稿している。

その要点を紹介しよう。

「ジョージアは、黒海の東海岸に位置するコーカサス諸国の一つです。
古くから数多くの民族が行き交う交通の要衝だったことで、何度も他民族の支配に晒されたため、政府としての歴史こそ浅いものの、国としては数千年の歴史を誇っています。

・・・温暖な気候を利用したワイン生産も盛んで「ワインの発祥地としても知られている。ちなみに、日本の甲州ブドウの原産種もジョージアです。
・・・2014年にマルグヴェラシヴィリス大統領が訪日。「平和と民主主義への連帯」を安倍首相と発表し、ソ連崩壊後も良好な関係を築いてきた。

そんなジョージアはクリミア併合以前の2008年、ウクライナより先にロシアの侵略を経験しました。ソ連崩壊後、ロシアの侵略によって領土が奪われた初めての国です。・・・まさに同じ経験をしたからこそ、ジョージアはウクライナ戦争を人一倍 “ 身近な問題 ” と感じています。

だからこそ、ナザレンコ・アンドリー氏に対するH氏の粘着質なツイートには黙っていられなかった。

「8年ぶりに本州を出ました。北海道なう。人生初めて」
というナザレンコ氏のツイートに対し、H氏は、
「あなたは日本にいる限り奴隷になることはない。こうして北海道を楽しめる。」
「戦地の自国の仲間たちに、徹底抗戦だ!一般市民の犠牲も已むなし!と叫びながら、自分は日本の北海道を楽しむ姿の矛盾、滑稽さに気づいて欲しい」

と “ 北海道旅行を楽しんでいる ” と、決めつける趣旨のツイートを連投。
そんな発信に対して、私は
「自国が戦争中である人間の気持ちに対して、追い打ちをかける発信を批判します。
日常の生活を脅かす『脅迫罪』にさえなりかねないでしょう」とツイートしましたが、今もその気持ちに変わりはありません。

ちなみに、ナザレンコ氏は北海道へ遊びに行っていたのではなく、自衛隊の講演会に講師として登壇していたのです。祖国が亡国の危機にあることを考えれば、ナザレンコ氏が北海道旅行を楽しむはずがないことは予測できたと思います。

・・・今回は国際社会の懸命な働きかけも空しく、ロシアの暴虐は繰り返されてしまった。・・・そんなロシアの狂気を知ってか知らでか、
(ウクライナが)NATOへの申請を取り下げるべきだった」
(犠牲者を増やさないために)ロシアとの妥協点を探るべきだ」と発信するコメンテーターも散見されます。そんなロシアの身勝手な要求を呑まされたうえ、ロシアに屈することに何の意味があるのでしょうか。

ロシアの侵略を許した先に、何が起こるのかーーーー。

ジョージア・ロシア戦争は、ジョージア国内の非政府支配地域だった<南オセチア>が独立を求めたことでロシアの支配下に置こうとしたのがジョージア・ロシア戦争です。

この戦争でジョージアがロシアから受けた被害は凄まじいものでした。5日間の激しい戦闘で228人の罪なき民間人の命が犠牲に。20万人以上が帰る家を失った。

停戦合意が実現して紛争が終結したにもかかわらず、ロシアは「南オセチア」とアブハジアの独立を一方的に承認、彼らの占領下においた。・・・・・

そうして、ジョージアは、領土の20%をロシアに占領されたのです。

その結果、ロシアのジョージア侵略は深刻化の一途をたどっています。・・・被占領地域との境界線が設けられましたが、現在も境界付近にロシア軍が駐留しており、ジリジリ境界線を押し広げています。現地では赤子が這うように国境が動くので、“ 這う境界 ” と呼ばれている。停戦合意後、境界が定められていることを無視し、毎日支配地域を拡大し続けるーーーそれがロシアのやり方なのです。

・・・ロシア軍の侵攻を許せば、あらゆる手段を使って戦争終結後も侵略を続けてきます。降伏した先に地獄のような結末が待っている。―――多くの方に、この事実を改めて認識してほしい。

以上のような要旨であるが、ジョージアが侵略されたのはたかが14年前の出来事である。
その後にクリミア半島を略奪、今回はウクライナ侵略である。

駐日ジョージア大使は日本が北方領土でロシアとの交渉に一喜一憂する姿に、「ロシアの挑発に乗っかってメディアが右往左往する姿はロシアの思うつぼ。無視すればいいこと」とメディアの騒ぎ過ぎをたしなめている。

大使は『日本は、戦後70年以上も平和な状態が続いています。・・・領土問題があったとしても、武力行使によって侵略されたことは一度もない。日本は本気で日本が侵略される事態を想定できないのです。』と理解を示す。

しかし、思えば、日本も第二次大戦で降伏宣言した後に、ロシアは日ソ中立条約を反故にして日本の北方領土に侵略し四島のすべてを占領した。いま尚不法に居座り、まるで自国領土のようにやりたい放題である。そのことへの怒りすら多くの日本人は忘れている。

戦後76年、ただ平和に酔い、平和を貪ったジイなどは、おそらく戦争を知らずにこの世を去ることになるであろう。しかし、GHQの占領下に生まれ、戦争の匂いをうっすらとは嗅いでいる。

ジイは日本が無謀に戦いに突き進んだとも考えない。日本が戦ってきた戦争を有無を言わせず断罪もしない。その時代に生きてもいないのに、その時代の空気を知りもせず何を偉そうなことが言えようか。

70年も平和を貪った人間が偉そうにウクライナに対し「命が大事、降伏しろ」とは口が裂けても言えない。

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