サイバーセキュリティ
Vol.3-5.27-864 サイバーセキュリティ
2022.05.27
車中でつけたラジオから国会中継が流れてきた。
小野寺元防衛大臣の質問中であった、
「日本のサイバーセキュリティが脆弱で、アメリカの信用が得られず、大事な情報のやりとりが共有できない。早急にサイバーセキュリティの強化を図らなければならない。待ったなしの対策が必要だ」とし、サイバー対応を急げと進言していた。
「日本のサイバー能力はマイナーリーグ」という対談記事が「正論6月号」にあった。
その中で元米国家情報長官・元海軍大将・デニス・ブレア氏の発言である。
「多くの人が驚いたのはロシアからのサイバー攻撃がウクライナを機能不全に陥らせなかったということです。2014年のロシアによるクリミア併合の際、クリミアの発電所はサイバー攻撃で数週間、運転不能になった。」
「今回、戦闘の舞台になっている場所を除けば電気もついているし、医療も水も供給されている。なぜロシアのサイバー攻撃は軍事攻撃以上に失敗したのか。ウクライナは2014年の攻撃から学び、重要な官民ネットワークを保護するシステムを導入した」からだという。
「日本はサイバー攻撃への準備ができていない。もし中国からサイバー攻撃を受けた場合、あるいは北朝鮮からの攻撃でさえ、日本が被るダメージはウクライナよりはるかに大きい」
「日本が非常に能力的に劣る新しい戦争の領域は宇宙とサイバー空間で、どちらがより重要かといえばサイバー空間だ」
「残念ながらサイバー戦において米国の同盟国の中で最も弱いのは日本です」と断言した。
「日本の当局者は潜在的な敵国のネットワークでサイバーインテリジェンス(サイバー空間での諜報活動)を行う権限を持っていない」
さらに言えば
「多くの日本人はこのような能力を構築する要件、必要性について理解していない」
「日本はスーパーコンピューターなど得意分野がある。AIやR&D(研究開発)分野で優秀な人材がいるが、うまく連動しておらず十分な数に達していない」
「官民が協力関係を構築し、総理に代わってネットワークの運用、強靭性、防衛を統括する国家サイバー・ディレクターが必要。日本はそれぞれの組織がうまく連動していないがために、本来得られる相乗効果が上がっていない」と指摘した。
これら以外にも、日本では遅ればせながら「特定秘密情報保護法」ができたが、機密情報を扱う厳しい適格性に達するまでの日本人の意識レベルを上げなければならない。など数々の課題を上げた。
日本はまだまだ、防衛において保育園児であるという結論に至る。
ウクライナ戦争を目の当たりにして、はからずも戦後77年、防衛において世界から置き去りにされた実態が鮮明になった。政治家の怠慢か、国民の意識は平和だけを唱える平和信仰はウクライナをみれば何の役にも立たない。
思い出すのは「日本学術会議」だ。名前だけ見れば日本の英知を集めたアカデミックな団体に思うが、己のイデオロギーに固執し、軍備に関わることは一切拒否する姿勢だ。中国とだけは軍事も情報交換する反日組織に堕落した。
戦後77年、平和を貪ってきた日本は世界感覚に追いつけるのか?ブレア氏は5年以上かかるという。果たして台湾有事、尖閣有事に間に合うのか、間に合わない。同盟国に頼らざるを得ないのが現状である。
現在においてどの国も、自国の安全を守るのは、一国で守りきれるものではない。今回のウクライナ戦争で中立国・スイスですらEU側についたのが良い例だ。自由・民主主義・法の支配などを共有する国同士が同盟を結び、連帯をしなければ、独自で国家を守ることは不可能である。
時代の趨勢すら理解せず、現実を見ず、ユートピアを夢見るだけで平和がくると思う平和主義者は、自国のことしか考えない時代錯誤者だ、ある意味ドンキ・ホーテである。
“ 平和運動 ” “ 戦争反対 ” “ 憲法9条を守れ ” と叫び「防衛強化より話し合い」と国民を先導した者たちは亡国に導いた主犯である。
話し合いの精神をもって、国連や各国が話し合おうとの呼びかけを無視し、ウクライナに侵略したのはロシアである。
平和は世界の国が望んでいることである。しかし、欲望にかられた狂人の振る舞いを誰も止められなかったのも事実である。その時どうするか。人間は愚かと言われようと平和を望む人間同士が結束して立ち向かうしかないではないか。
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