“ 悲しい ” 8月15日の日本
Vol.3-8.15-944 “ 悲しい ” 8月15日の日本
2022.08.15
毎年のことだが、8月15日になると平和が連呼される。
終戦記念日というよりも、戦争の悲惨がクローズアップされ日である。日本が自らを断罪する日 でもある。
原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれている。
「この碑文の趣旨は、原子爆弾の犠牲者は、単に一国一民族の犠牲者ではなく、人類全体の平和のいしずえとなって祀られており、その原爆の犠牲者に対して反核の平和を誓うのは、全世界の人々でなくてはならないというものです」と説明する。
どうも心にすっと入らない。今風の考えに立てば、世界の国の心の問題へ立ち入っていいの?という言う気さえする。個人的には、わが日本として、日本人として素直な心の発露を碑に記してほしかった。
戦後77年になる。「昭和の記憶が薄れていく」ことを懸念をする向きもあるが、77年、戦争に関わることがなかったことは幸いなことである。
テレビ、ラジオでも多くの戦争関連の放送があった。そのすべては “ 悲惨な戦争を2度と起こしてはならない ” という思いに貫かれている。
△ 8月1日(月)~16日(火) 被爆体験記 朗読シリーズ 「長崎 被爆の記憶」
「原爆投下の一か月後、父の身体に濃い紫色の斑点ができ亡くなりました。その時、山口さんの胸にも薄い紫色の斑点ができていました」・・・そんな体験記だ。
△ 7月31日(日)、8月7日(日)、8月14日(日)
ふくしまFM特別番組『THE INTERVIEW~2022年、戦後77年。戦争を考える~
△ 8月6日 NHK
「原爆が奪った“未来” 〜中学生8千人・生と死の記録〜」
77年前、広島に投下された原子爆弾。軍の主導で、空襲の延焼を防ぐための作業に動員されていた中学生8000人が大きな被害を受けた。学校などに保管されてい資料を入手。・・・・・核兵器がもたらす脅威と、守るべき尊い未来を奪っていく戦争の現実に迫る。というものである。
△ NHK13・14日新・ドキュメント太平洋戦争1942大日本帝国の分岐点
△ 14日 BS1スペシャル「マルレ~“特攻艇”隊員たちの戦争~」
△ 15日 NHKスペシャル「ビルマ 絶望の戦場」
△ 14日TBS NO WARプロジェクト
おじいさんやおばあさんから聞いた体験談が語られる
<STAYさん>
1945年、当時10歳、墨田区本所に住んでいた母からあの日のことを聞いた 3月10日の東京大空襲、焼夷弾が落とされ真夜中だというのに空は真っ赤だった 火の海の中人々は逃げまどった その中を母親に連れられ兄弟たちと逃げたそうだ 熱くて人々は次々と川に飛び込んだ 母も家族と下の妹を負ぶって川に飛び込んだ母は弟と妹を家まで連れ帰り息を引き取ったそうだ 姉ちゃんもいなかった 近所の人がまだ火の出ているところで冷たくなった下の妹を温めていた 妹は助かったが腰から背中にかけそのときの大きな火傷の跡があるのだと話してくれた 。
これらは戦争被害を受けた事実が語られている。戦争は “ 悲惨である ” この事実は伝わり、それも重要な記憶の継承である。
これらの映像だけで戦争の実相に迫るのは難しい。ジイは何冊かの戦争関連の本を読んだ、
例えば
〇大東亜解放戦争 著者:岩間浩 創栄出版
〇日中戦争は中国の侵略で始まった 著者:阿羅健一 悟空出版
〇台湾人と日本精神 著者:蔡 焜燦 小学館文庫
〇日中戦争 著者:北村稔 林思雲 PHP研究所
〇昭和の大戦への道 著者:渡部昇一 WAC出版
〇新歴史の真実 著者:前野徹 経済界
〇1937南京攻略戦の真実 著者:東中修道 小学館文庫
〇「南京事件」の総括 著者:田中正明 小学館文庫
〇世界がさばく東京裁判 監修:佐藤和男 明成社
〇パール判事の日本無罪論 著者:田中正明 小学館文庫
〇散るぞ悲しき/硫黄島総指揮官・栗林忠道 著者:梯久美子 新潮文庫
〇なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 著者:加瀬英明&ヘンリー・S・ストークス 祥伝社新書
〇沖縄ノート 著者:大江健三郎 岩波新書
〇沖縄戦・渡嘉敷島 集団自決の真実 著者:曽野綾子(沖縄ノートと対比されて読まれることが多い)
これらの本は著者が苦労して戦争の実相に迫った力作である。映像では伝えきれない、『国家』として戦った『戦争』がある。
極限状態の中で命はどう扱われたのか、その場に立ち会った人間でなければ答えを出せない。現在の世に生きる人間が軽々に立ち入ることのできない命のやりとりがあった。勇敢さ、弱さ、生きることの難しさ、戦争にはすべてがある。あらゆる努力をして当時に近づこうとしてなお遠く、厳しい神聖な領域である。
日本人の規律正しい誠実な生き様が描かれていれば、“ 戦争を美化する ” と騒ぎ立てる。戦争は人間も含めすべてが “ 悪 ” でないと気が済まないという人間がいる。そういう人間に戦争の実相を伝えることは難しい。
軍人たちの高潔な精神や誠実な行為が美しく見えてしまうからだ。
人は、たとえ軍人でなくても己を捨てきり、何かに立ち向かおうとする時、大事とされる命が思考から消え去る時があるのではないか。
それを愚かと言うのは現代に生きる人間である。あなたはその時代を生きたのか。過去を今の法律で裁く愚に似ている。
戦争を美化しろとは言わない。しかしその時代に生きてこそ語れる戦争がある。靖国に眠る英霊たちがいる。彼らはこの8月15日の終戦記念日ですら思い出されない存在だ。国家に命を捧げた英霊に国家元首が参拝することを許さない国が世界のどこにあるのだ。
治安がよくて、優しくて、誠実な人が住むという日本、しかし、世界一軍人に敬意が払われない日本でもある。
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