昆虫ビジネスのはじまり

日本,雑記

Vol.3-10.9-999   昆虫ビジネスのはじまり

2022.10.09

田舎で育ったジジイは、稲刈りの頃、都会からビンをもってイナゴを獲りにくる観光客を不思議に思っていた。何にするのかと思いきや、つくだ煮にして食べると聞いて驚いたことがある。

大人になり都会へ出た。都会は恐ろしいところだ。イナゴどころではない。蛇に蛙にカタツムリまで食べるというではないか。まあ、マムシなどは焼酎づけにして強壮剤や薬用として飲むのは聞いたことがあったが、聞けばゲテモノを扱う店では丸焼きもあるというから驚きである。

ところで、最近注目されているのが昆虫である。

世界的に食糧不足が深刻化する中、昆虫が注目されている。

住友商事が注目しているのは、家畜の餌に混ぜる昆虫の粉末である。中には昆虫食に目を向ける企業もある。その背景には人口増加による食料不足がある、そこにウクライナ危機で小麦などの供給不安が起き、たんぱく質の代替食品として注目されているのだ。

昆虫を加工する過程で生じた油も無駄にせず、化粧品や化学品などの開発にも取り組み製品にしたいと意欲的である。

一方、昆虫を食品として注目されているのが、栄養価が高く飼育が比較的簡単なコオロギである。

日本航空の傘下にあるLCCは、海外路線で食用の “ フタホシコオロギ ” を使った機内食をの販売を始めたようだ。

提供商品は「トマトチリバーガー」に「ペスカトーレ」で、それぞれパンとパスタソースにコオロギ粉末を混ぜて風味を良くしたそうだが、よく売れているという。

昆虫は牛などと違い、少ない餌で効率よく育てることができ、環境への負荷が少ない。日本能率協会総合研究所は、19年度に70億円だった昆虫食の世界市場が、25年度には1000億円規模に拡大すると予測している。驚きだ、6年後には14倍ということだ。

そういえばそこかしこに、変な自販機が増えてきた。

● いわき市に食べられる虫を集めた昆虫食専門の自動販売機が県内では初めて登場した。扱っている商品は11種類。コオロギやイナゴ、バッタ、セミなどの素揚げは塩、こしょうなどで味付けされている。粉末状にした昆虫を生地に混ぜ込んだクッキーも2種類ある。

販売主は「食べやすく、お薦めしたいのはコオロギ」、だそうである。

● コインロッカーや自販機、ATMなどの設置・管理を手掛けるティ・アイ・エスは、コオロギ、タガメ、タランチュラ、イモムシ、サソリ、カブトムシの昆虫食を自販機で売る。

製造者は「バッタやコオロギは、素揚げし、塩を振ってパッケージに詰める。この手順はポテトチップスと同じ。香りは居酒屋で食べる川エビの唐揚げに近い。昆虫もエビも硬い殻を高温で揚げるのでどちらも香ばしい。とはいえ、味は虫の種類によって異なる」と話す。
最近では、アメ横センタービルとアメ横プラザに加え、直近では中野ブロードウェイでも稼働開始したようだ。

何故、こんなに昆虫食が注目を?
そこには、国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年に公表した報告書がきっかけとなった。同報告書では、食糧・飼料問題対策として昆虫に注目した。これをきっかけに、昆虫食は栄養価が高く、牛や豚に比べて養殖する際に地球環境に与える負荷が少ないという認識が広まり、欧米を中心にコオロギの養殖場やメーカーなど昆虫食関連のビジネスが生まれた。

昆虫食専門の通販サイト「バグズファーム」を運営するアールオーエヌの辻ひろあき氏によると、広く一般の人が目を向けるようになったのは、2018年1月にEU加盟国で昆虫を「ノベルフード=新食品」(Novel Food)と認可したことが大きいという。

「虫も食べ物だという “ お墨付き ” が与えられたことで、コオロギ食材のお菓子やメニューが増えた。『なんだこれ、食べられるじゃん』という感じで少しずつ売れ始めた」と辻氏は語る。

製品化のための加工方法は、虫の種類によって異なる。コオロギやバッタは素揚げするのが一般的。幼虫系は水分が多く、そのまま揚げるとはじけるので一度ボイルして乾燥させる。大きな昆虫は塩漬けにすることもあるという。

味付けは塩味だけではない。姿はそのまま、キャラメルやバーベキューのフレーバーを使って、虫だということを忘れさせるような味付けにしたり、姿を見ながら食べるのは苦手という向きには、コオロギ粉末を練り込んだうどんやせんべい、プロテインバーなどに加工したり。形すら残さず、抽出したエキスを入れた「タガメサイダー」もある。これらはいずれも自販機で販売しており、物珍しさに試してみる “ 初心者 ” から、昆虫を自分で調理して食べる “ 上級者 ” まで対応できるラインアップを心掛けたという。

至れりつくせり、逞しい商魂には脱帽である。

今や、昆虫だけではない。サソリに爬虫類など、普段中々食べられない「ゲテモノ」メニューを取り扱うお店が各地にある。「蛇」好きには群馬県にジャパンスネークセンターがある。

ただ、蛇には気を付けた方が良い。その生命力や凄いものがある。内蔵を取られ、皮を剥がれた後でもウネウネ動いている。中国で首を切られて10分したヘビに噛まれて料理人が死亡したというニュースがあったというのだ。

そのうち、昆虫に限らず、地球上の動物はすべて食べつくされ、いよいよ食を求めて宇宙へ行くかもしれない!

宇宙人よ!地球の人間に気をつけろ! “ 宇宙防衛 ” もう始めた方がいい。

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Posted by 秀木石