コロナを乗り越えた後の医療
Vol.3-12.4-1055 コロナを乗り越えた後の医療
2022.12.04
地域の中核病院に病床確保を義務付ける「改正感染症法が、2日の参院本会議で自民、立憲民主両党などの賛成多数で可決、成立した。
同法には
1、都道府県と各医療機関が、病床や医療人材の確保に関する協定を締結する仕組みを明記
2、地域の中核となる公立・公的病院や大学病院など、高度な医療を担う「特定機能病院」に対し、感染流行時に病床を確保を義務付ける
3、守らない場合は都道府県知事が勧告や指示を出し、従わなければ特定機能病院などの承認を取り消す行政処分が可能
厚生労働省によると、全国約11万カ所の医療機関のうち、感染症有事に対応可能なのは約4万カ所にとどまる。このコロナ感染拡大時の医療現場が逼迫した経験を踏まえ、感染症のほか医療法や予防接種法、検疫法なども一括で改正し、流行時には歯科医や臨床検査技師、救急救命士らによるワクチン接種も認めた。
さらに、政府は今回成立した感染症法の附則に、新型コロナウイルス感染症の同法上の分類について、見直しを「速やかに検討する」と明記した。現在は結核などと同じ「2類」相当として強い感染症対策をとっているが、季節性インフルエンザと同じ「5類」への緩和も視野に見直しの議論を本格化させるようだ。
「2類」相当では、
〇 受信、入院できる先が指定医療機関に限られる
〇 感染拡大によって医療現場が逼迫する
〇 外出自粛要請、就業制限等、社会活動に大きな影響が出る
などがあるが、現在主流のオミクロン株は致死率の低下が顕著になってきている。
例えば致死率
◆ デルタ株が主流だった昨年の夏 ⇒ 2.5%
◆ 今年のオミクロン株の派生型BA・5 ⇒ 0.48%
季節性インフルエンザの0.55%とほとんど差がなくなった。
さらに、ワクチン接種も進み、11月には塩野義製薬の国産初の飲み薬「ゾコーバ」の承認も大きい。
5類に引き下げれば、発熱外来に限らず幅広く一般医療機関で受診できるようになり、医療現場の逼迫を回避することが期待できる。厳しい行動制限もなくなり、社会経済活動にも元気が出てくる。やっと普通の生活に戻れる希望が出てきた。
新型コロナウイルスが発生して、丸3年になる。3年前の1月から半年間、毎日、テレビのトップニュースは「新型コロナ」から始まった。例外は1日もなかった。よくぞ3年間、頑張って来たもんだ。
やっと先が見えてきたような気がする。
新型コロナウイルスで大変な思いをした。しかし、医療の問題点が浮き彫りになり、見直しが進んでいる。
コロナ禍では、患者が通い慣れた「かかりつけ医」を受信できなかったこともあり、「かかりつけ医」の制度化も議論されるようだ。いろいろ問題点はあるようだが、3年間コロナで苦しめられた結果をより良い改正に結びつけなければ3年が無駄になる。
投薬の重複、医療費負担、内科専門・外科専門のように専門医の多い日本の診療所から、総合診療医のいる病院のあり方も議論が必要とされるだろう。
今度こそ、コロナの終息を願いたい。苦しかったコロナとの闘いを踏まえ、医療体制が抜本的に見直されることを期待したい。
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