命をかけた戦時訪米

世界,日本,雑記

Vol.3-12.24-1075  命をかけた戦時訪米

2022.12.24

ウクライナは今『生きるか、死ぬか』の岐路に立っている。そんな思いでゼレンスキー大統領は危険を承知で米国に飛んだのだろう。

ゼレンスキー大統領の電撃的訪米は、秘密裏に計画された。
現地時間21日、キーウから列車で国境に近いポーランド南東部・プシェミシル駅に向かった。そこから60km離れたジェシェフの空港に移動、米空軍の要人輸送機C40に搭乗。C40はドイツから北海に抜け、英国上空を通過。その際ロシア潜水艦の攻撃に備え、ドイツの基地から発進したAWACSや、米空軍のF15戦闘機が護衛にあたった。

まるで007が要人脱出を危機一髪で助けるような映画を、地で行くような脱出劇である。

しかし、そこまで危険を冒してまで米国に行く必要があったのだ。

来年になれば、米支援はどうなるかわからない。
トランプ氏の「親衛隊長」ともいえる共和党のマジョリー・グリーン下院議員は訪米前、ゼレンスキー氏を(米国を操る)陰の大統領」と陰謀めいた呼び方で揶揄し、巨額支援を「ばかげている」とSNSに書きこんでいる。トランプ氏の長男も「恩知らずな国際的ウエルフェア・クイーン(福祉の女王)だ」と特有の表現で批判している。

中間選挙の結果、下院で共和党が過半数をとったからには来年米議会はすんなりと民主党政権の法案が通るとは考えにくい。危機感をもったゼレンスキー大統領が今、訪米しアメリカ社会に訴え、支援を確実なものにしなければウクライナは完全にロシアの配下になり、ウクライナは消滅する。この危機感が命をかけた訪米になった。

これまでのウクライナへの支援額である。
① 米国 3兆2060億円
② 英国 5740億円
③ ドイツ 3220億円
④ ポーランド 2520億円

上記の支援額を見れば、米国の支援なしにウクライナの抗戦は成り立たない。

共和党を中心に、米国の一部でくすぶるウクライナ支援への懐疑論はなかなか理解できないが、ゼレンスキー大統領が議会で訴えたように、この戦いへの支援は「慈善ではなく、民主主義への投資」だと力説したように、独裁と民主主義の戦いに、必死で自由民主主義を守ろうと戦っているウクライナを支援しないでどうするのだ。

これでロシアを勝たせたら、民主主義は成り立つのか。勝手に侵略をした国が、武力の優位性で勝利した独裁国を民主主義国家が容認するのか。そんな世界が認められるのなら世界は再び戦場と化す。

今こそ、国連が機能し、核戦争を起さないために、ルールが守られる地球に仕上げる努力こそ民主国家の役割ではないか。

“ 世界の警察を辞めた ” と宣言した民主党の世界のリーダー放棄から始まって現在の混乱を招いている。今度は共和党が民主主義を守らないというのか。アメリカはどうなっているのか?米国の真意はどこにあるのか疑心暗鬼になる。

前トランプ大統領がいうように、世界はどうでもいい “ アメリカファースト ” だけが目的なら米国は今後、本当の意味で信頼を失くしていく。

民主主義リーダーの不在、世界が2分しようという時に現に世界のトップにいるアメリカの分断は何とも歯がゆい。J・F・ケネディやドナルド・レーガン、イギリスのサッチャー首相がいた時代が懐かしい。

出でよ!!世界のリーダーと叫びたいが、安倍元首相もこの世を去った。

この度、新首相に就任したイギリスのリシ・スナク氏ような若いリーダーが民主主義の牽引車となってくれるといいのだが、まだ未知数だ。

日本のリーダー岸田首相も頑張っている。今回の安保3法案のように徐々に筋金が入りつつある。支持率など風見鶏のようなもの気にする必要などない。

日本が力を発揮するには、すべて自前とはいかないが、国内回帰を図り、共鳴国との紐帯強化の中で経済、防衛、政治分野でのまずはアジアの確固たるリーダーになる必要がある。

国連常任理事国であるロシアのウクライナ侵略、ウクライナを支える側として方向を間違えないようなサポートは自信をもって発言していただきた。

日本はブレることなく “ ウクライナガンバレ!! ” の姿勢を崩してはならない。

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