ついに解決か、徴用工訴訟

世界,日本,雑記

Vol.4-2-1084   ついに解決か、徴用工訴訟

2023.01.02

元旦に報じた産経新聞によれば、ついに徴用工問題が解決に向け大きく動き出すようだ。

<1月1日産経新聞>
日韓両国の最大の懸案であるいわゆる徴用工訴訟問題を巡り、早ければ1月中に韓国政府が解決策を公表する意向を日本側に示していたことが31日、分かった。日本企業の敗訴が確定した韓国最高裁判決から4年超を経て、問題解決に向けて大きく前進する可能性がある。

外務省の船越健裕アジア大洋州局長は昨年12月26日、同省で韓国外務省の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長と会談。この際、徐氏は原告団や有識者らが参加する公聴会で意見を聴取した後、すみやかに結論を出す意向を伝えた。公聴会の具体的な日程は示されなかったが、韓国側は「できるだけ早く開催する」意向だという。

解決策は、元徴用工の支援活動を行う韓国の「日帝強制動員被害者支援財団」が、敗訴した日本企業の賠償金相当の寄付を韓国企業などから募り、原告に支払う案が有力だ。財団は定款に「被害者への賠償」に関する項目を加える手続きを進めており、公聴会でもこの案が示される見通し。

徴用工訴訟問題を巡っては、原告側は日本企業の資金拠出や謝罪を要求しており、解決策に対しても反発するとみられる。ただ、韓国政府はこれまでの日韓両政府による高官協議や、4回にわたり韓国国内で官民協議会を開いたことを踏まえ、公聴会は「結論に至る手続きの最終段階」と位置づけているという。

解決策の発表は、日本側が徴用工訴訟問題は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で解決済みとし、「韓国の国内問題」との立場であることから、慰安婦問題を巡る日韓合意のような日韓両国要人の対面形式は取らず、韓国側が単独で行う方向で調整している。

徴用工訴訟問題>
韓国最高裁が2018年、日本統治時代の朝鮮半島から動員され労働を強いられたとして元徴用工らが損害賠償を求めた訴訟で、日本製鉄と三菱重工業に賠償支払いを命じる確定判決を出したのに対し、日本政府は、1965年の日韓請求権協定で解決済みと反発。韓国が一時日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通告するなど日韓関係は急速に悪化した。だが、2022年5月に対日関係を重視する尹錫悦大統領が就任したのを機に、問題解決に向けて日韓両政府の協議が加速している。

2019年2月号の正論に櫻井よしこ氏と麗澤大学客員教授・西岡力氏が徴用工訴訟について対談した記事がある。

この記事は、朝鮮人戦時労働者の問題について韓国大法院、最高裁判所が新日鉄住金と三菱重工に損害賠償を確定させる判決を下した後に行われた対談である。西岡氏は朝鮮半島の専門家でもある。

この原告となった新日鉄住金の4人が実は徴用工ではなかったという事実を見つけたのはこの対談の西岡力氏である。

<西岡氏>
原告の人たちは普通に日本に来て、企業で働いて、給料をもらって、あるいは給料を貯金していたかもしれません。未払いがあれば清算する機会が2回もあった。それでも帰国して怪我もしてないし、死んだわけでもない。韓国でもその人たちに慰謝料は払っていない。しかし、判決では「朝鮮半島に対する不法な植民地支配および侵略戦争の遂行と直結し反人道的な不法行為に対する慰謝料が発生する」と言っている。

「日本語を強制されたから慰謝料が発生する、あるいは神社参拝をさせられたから慰謝料が発生するという論理が全部通用する議論です。日本政府は一度も不法だと言っていないのです。そのことを知った上で韓国は1965年に条約・協定を結び年間予算に指摘する3億ドルの提供を受けた。それを今になってひっくり返そうとする不当判決です」と語っている。

まさしく、判決は不当なのだが、それまでに朴慶稙という在日朝鮮人学者が「強制連行」という造語を広めたり、こともあろうに東大名誉教授の和田春樹氏や大江健三郎氏らが「日本統治不法論」を編み出し、日本を貶める運動をしたのは残念でならない。結果として韓国の違法な請求の後押しをしている。

いずれにしても今回の日本政府は、何度も煮え湯を飲まされた経験を踏まえ、解決済みとして一切妥協しなかったことが、今回、韓国単独での解決に導いたのは間違いない。

しかし、最後の決着のあり方を見ないと判断はできない。
ただ、あくまでも「韓国国内問題」であるという前提で対面形式はとらないので、その成り行きを静観するより仕方ないが、日本は訴えられた当事者である。解決内容をよく吟味し、禍根を残すことの無いよう十分注意をしなければならない。

それにしても日韓の関係を悪化させた「徴用工訴訟」、気持ちよく解決し、日韓関係が真の友好への第一歩となることを心から祈りたい。

 

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