ポーランドの覚悟に日本は何を思う

世界,日本,雑記

Vol.4-2.21-1109   ポーランドの覚悟に日本は何を思う

2023.02.21

ロシアのウクライナ侵攻が間もなく24日で丸1年になる。

小国ウクライナがこの1年、大国ロシアに互角以上に戦えたのは、アメリカを筆頭に欧米の懸命なる資金援助と武器支援によるところが大であることは疑いない。

しかし、それ以上に隣国ポーランドの軍事支援は特筆しなければならない。

産経新聞に ~「ウクライナと共に」隣国の有事 ~という特集がくまれていた。

そこには日本も、「隣国・台湾の有事」が現実に迫っていることと無縁でないことを想起させ、かつ現在起きているウクライナ戦争に対し、隣国ポーランドがとっているウクライナ支援、日本は大いに学ぶべき点がある。

記事は、ウクライナ国境からわずか距離70kmにある、ポーランド南部のジェシュフ空港の役割がウクライナ侵攻で大きく変わったことから記事は書かれている。

大型輸送機も使える長い滑走路、軍事支援物資を中継するNATOの拠点に最適だったことが功を奏した。

ポーランドは昔、シリア難民を受け入れを拒否したことがあった。しかし、今回のウクライナ有事では一転、「兄弟であり、隣人であり、運命共同体である」という強い認識をもって徹底した支援体制を敷いた。

避難民への手厚い支援、そこには「ウクライナがロシアに負ければ、次はわれわれがロシアに負ける可能性がある」という危機意識がある。18世紀から何度も「ロシアの占領下に置かれる恐怖を知っている」からである。ポーランドは今、ウクライナの命懸けの戦いを兵站部分で支えているのである。

昨年11月、ウクライナの迎撃ミサイルがポーランドの国境付近に着弾し2名の命が失われたことがあった。しかし、その直後の世論調査でも8割が支援継続に賛成している。ブレることのないポーランドの覚悟は忘れることの出来ない残酷なロシアの支配にある。

ポーランドのスタニスワフ・コジエジ元国家安全保障局長は「われわれの安全保障に直結しているからだ。政府は、国民はウクライナを守ることはポーランドを守ることでもあると知っている」と断言した。

ジェシュフ空港は「軍事・人道支援物資の集積拠点でありウクライナの生命線。ロシアの妨害を避けるため空港の安全や機密情報は死守する」と命懸けの支援は使命と化しているかのようである。

ポーランド政府は、侵攻以来、兵士を含め2千人以上がポーランドで治療を受けたが、早々に負傷兵の治療を無料化にした。

さらに「救助要請を受けたポーランドの医療従事者はほぼ、30分以内に重症の兵士の搬送に迎える態勢を整える」という手厚さである。

ポーランドがウクライナに約束した軍事支援規模は昨年11月20日までに約2540億円。米英独についで世界第4位、その覚悟を見る思いだ。

国連難民高等弁務官事務所によると、侵攻以降、ウクライナから近隣諸国に逃れたのは1837万人を超え、うち約半数の約946万人がポーランドに避難し、現在は350万人が同国で暮らしている。

避難民には18ヶ月の滞在を許可し、急遽法律を改正、公的医療の無料利用や労働などが可能とし、義務教育を受ける権利も与え、子供1人当たり1万4千円の児童手当の支給をするという手厚さだ。

ウクライナ難民対して、「私たちは彼らを難民とは呼ばない。ロシアの攻撃で非常に困難な状況に置かれたゲストであり、兄弟であり、隣人だ」ポーランド大統領はこう強調したのだ。

しかし、ポーランドにとって軍事面でウクライナを支えるには大きなリスクを負っている。支援を強めれば強めるほど、ロシアから報復を受ける危険性が高まる。それを承知の上での支援。したがって、政府はロシアとの有事を想定し軍備増強を急いでいる。

ポーランドのモラウィエツキ首相は国防費を2022年のGDP比2.4%から4%に大幅に引き上げると発表した。

日本は2%にすると言って大騒ぎしているが、この違いは何であろう。日本も隣国の脅威はポーランドと同じように大きなものであるのだが。

それだけはない、ポーランドでは一般市民ですら、軍が開催する銃や手りゅう弾の扱を学ぶ訓練に参加する男女の姿が目立つようになったという。ウクライナ有事を自らの危機ととらえ、備えを固めようとしてるのだ。

翻って日本、台湾有事はもう何年も前から言われている。しかし、危機意識は全くないと言っても過言ではない。このウクライナ戦争の中において出る言葉は「平和」という言葉ばかりである。平和が大切なことなど誰もがわかっていることだ。しかし “ 平和 ” を叫べば平和がやってくるとでも思っているのか?現実を冷静に見極め、危機にどう対応すべきかの結論が出せない。思考停止はGHQの洗脳から抜け切っていない証拠である。

長い平和と、幸か不幸か、海洋国家であることが幸いし、第二次世界大戦敗戦後の米国による占領以外に他国に蹂躙された過去がない。戦後受けた「GHQの占領」も洗脳という直接に痛みを感じないものであったが故に、ウクライナやポーランドが受けた「占領下における恐怖」を日本人は知らない。

しかし、台湾有事が起きた場合。日米同盟上、ポーランドとウクライナとの関係性とは比較できない重要な役割を担うことになることは自明である。つまり、ポーランドのような自発的覚悟ではなく、同盟国として米国が納得する支援ができなければ同盟の意味がない。そのためには法律を変えてでもその態勢を整えなければならない。

いざ、有事になった場合、戦いはすべて米国任せ、何もできないでは “ 同盟 ” などあって無いに等しい。世界からも相手にされなくなるだろう。憲法改正など、もうとっくに済ませなければならないことだが今からでは間に合わない。立憲民主党が騒ぎ立てる「LGBT」や「同性婚」の法整備などよりまず、「有事対応を含めた法整備」が必要で、「今」手をつけなければ日本は沈没しかねない。

「国民の命と財産を守る」ことが政府の役割というなら、総理は今こそ、それこそ命をかけて真剣に国民を説得しなければ何度も言うが手遅れになるということを肝に命じた方が良い。

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