ロシア侵略が諸悪の根源
Vol.4-8-6-1131 ロシア侵略が諸悪の根源
2023.08.06
ロシアのウクライナ侵略戦争は終わりが見えそうで見えない。一時は日本でも終わらせるための論争があったが今は影すらない。
日本では8月になるとマスコミを中心に戦争と平和論が活発になる。
「平和の大切さ」と「戦争の悲惨」が語られるが、何故起きたのかは語らない。今戦争中のウクライナの戦争もその状況は日々ニュースで流れる。
昔の戦争形態に近いと言われるが、違うのは日々現場の映像も流れることだ。当事者意識は薄く関心もニュースが終わった時点で脳裡から消える。
あの沖縄戦の悲惨とは違った印象を受けるのは、国と国との戦争というよりプーチンの侵略戦争でありロシアにとってはプーチンが命名した通り「特別軍事作戦」でロシアにとっては戦争との認識はないのかもしれない。
しかし、戦争は1年半になる。このウクライナ侵略は世界をエネルギー、食糧をはじめ多くの問題を引き起こし、自由陣営から見れば、さらに問題を複雑にしているのがロシアと中国であるというのが今の世界情勢である。
そのロシアである。
<その1>
7/17日、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する手続きを定めた「国連合意」から一時的に離脱すると発表した。
中国と同様、気にいらないとなれば、世界の食料事情など気にする気配もない。日本のように中国の “ 機嫌をそこなわないように ” なんていう配慮表現は存在しない。
冬のエネルギーもそうだった。自国のために他国の窮状など一切容赦はない。これでは世界とは離れるばかり、プーチンはそんなことは承知の上だろうが自らの保身以外に今は頭にないようだ。
ただ、テレビで見るプーチンの姿からは、焦りと共に落ち着かない立ち振る舞いが気になる。欧米との対抗軸にグローバルサウスからの反発の可能性もあり今回は大きなリスクを負った。途上国が離反すれば、ロシアのプーチンはいよいよ危ない。危ない(核)戦略に手を出さないか心配である。
<その2>
ウクライナ侵略にからんで多くの犯罪調査も進んでいる。戦争が終結すればプーチンの犯罪は当然追求される。
ICC(国際刑事裁判所)のカリム・カーン検察官は今年3月、ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で、プーチン大統領にすでに逮捕状が出されている。
ICCの逮捕状では、ロシアが占領したウクライナの地域から子どもたちをロシアへと不法に移送しており、プーチン氏にこうした戦争犯罪の責任があるとしている。
ところが、そのロシアがICCを相手取り、カリム・カーン検察官や日本人である赤根智子裁判官を含めた4人を指名手配したのだ。
国際社会に対する卑劣な脅しである。今さらだがプーチンの本性である。日本政府はICCとも連携し、赤根氏を守らなくてはならない。
一方の中国も内紛?、経済難と大忙しである。
<その1>
まずは秦剛外相が突然消えたというニュースだ。
6/18日、米・ブリンケン国務長官と北京で時間以上に及び会談、その1週間後に突然表舞台から姿を消したのだ。
外相と言えば中国の顔である。その人物の動向がさっぱりわからなくなったのだ。日本の林外相が突然姿を消したら、日本中が蜂の巣をつついたような大騒ぎになることは疑いようがないが、中国では静かである。一切情報が出ない。不気味な国だ。不可解な国というより恐怖を感じる。静かに消されるだけである。
この若き秦剛外相は、昨年末習近平総書記が抜擢した人物だ。それを半年そこそこで突如解任するとはメンツ丸つぶれである。メンツを大事にする中国、習近平氏にとってはショックというより怒りが爆発したのではないかと想像する。
7/26日には秦剛外相のHP情報が一斉に削除された。中国から消え去ったのだ。
これが中国共産党一党独裁の顔である。
<その2>は大いに日本に関係のあることだ。
米中の経済戦争の最中、米国に歩調を合わせる日本がどうにも気に食わない。
今度は福島の処理水の海への放出に強烈に文句をつけてきた。
自国の処理水が日本の5倍も濃度があるのは棚に上げ、中国の関係当局が日本の水産物への放射線検査を強化、日本からの鮮魚輸出を実質的に停止したのだ。さらに処理水を『核汚染水』と呼び、囲い込みを強化する島嶼国などに偽情報を流し、危険性を強調、反対の声を上げるよう要請するという悪行。世界第二位の経済大国とは名ばかり。もう国家の体裁をなしていない。
何という醜い国であろうか。これが、あの “ 論語 ” を生んだ国とはどう考えても信じることができない。ある意味『中国共産党』は1949年にできたばかり、74年の歴史しかない別国家といった見方をした方が実態に近いのではないか。
その対抗措置と思える記事が8/4の産経新聞に明星大学・細川昌彦教授のコラムにあった。
「・・・『(処理水について)日本がこのIAEAの報告を踏まえ、高い透明性をもって丁寧に説明していく』としているのは当然だ。しかし意図的に政治的な措置を行う中国に対して、いくら科学的説明を粘り強くしても、抗議と撤回要求をしても残念ながら効果は期待できないだろう。・・・」
「・・・日本はG7の中で唯一、そうした経済的威圧に対する対抗手段を持ち合わせていない。EU、米国には独自に対応できる措置があり、さらに対抗措置法案も準備している。これに対して日本は中国を刺激するこを懸念して、制度を整備する『構え』を示すことすら及び腰だ。
日本は標的となる可能性が高いにもかかわらず危機感がなく、呑気に無防備のままだ。そうし中で今回。経済的威圧の標的になってしまった。」
そこでだ
「当面は中国の措置が検査手続きの恣意的運用であり、科学的な説明を受け付けないならば少なくとも同様の運用レベルで対抗すべきだろう。すなわち中国から輸入する水産物につて日本も全量検査すべきだ。中国の複数原発放出するトリチウムが福島の処理水の最大で6.5倍であることが判明しているだけにやむを得ない措置と言える。」
“ 拍手喝采 ”、これ最高!!ではないか。“ やってみなはれ ” といいたいところだが、日本には親中・媚中がわんさといる。数え上げればきりがないが、外務省もその一つである。
何と言えばいいのか、悲しくなる。
その昔、中国とは何かとお世話になった。漢字、仏教、論語等々、、、。ジジイも中国とは本心仲良くしたい。そしてお互い手を携えて、アジアをEUを凌駕する経済の核となるべく協力者であればこんな嬉しいことはないと常々思っている。しかし今の中国は悲しいかなあまりにも違う。もうどうにもならないところまできた。
日本の親中派に媚中派よ、何をよすがに中国にすり寄るのかその真意を聞きたいものだ。
そんな国際環境の中で日本に目を移せば、ウクライナ戦争とは関係ないが事件が連日世間を騒がせている。
① ビッグ・モーターの保険金の不正請求問題
② 自民党衆院議員の秋本真利・前外務政務官の贈賄容疑
③ 維新の会と立憲・共産党の口撃合戦
23日のネット番組で維新の馬場代表が
「(立民は)いても日本は何も良くならない」「(共産は)日本からなくなったらいい政党」と批判。これには両党から強烈に批判。共産は抗議文を提出、しかし維新の馬場代表は
「共産にはボロクソに言われてきたが(維新は)何も抗議していない」と指摘し
「(共産)は党内から異論が出れば除名してしまうようなガバナンスの政党だ。撤回する必要は全くない」と歯切れよく撤回を拒否。
まあ、維新の動じない姿勢にアッパレというところか。
④ 日本大学アメリカンフットボール部の寮から覚醒剤と大麻が見つかった事件
所得税法違反罪で東京地裁で有罪判決を受けた日本大学の田中英寿前理事長の交替に白羽の矢が当たり鳴り物入りで昨年7月に理事長に就任した日大出身の林真理子氏。『膿を出し切る』と全力投球を宣言したのはほんの1年前だ。
アメフトでの悪質なタックル問題や、日大にはびこる “ 腐敗 ” の膿は出し切るどころか膿に汚染されたのではないかと疑いたくなるような薬物疑惑直後の林理事長の会見。
「大学側が寮から大麻を押収したことは」という質問に対し即座に
「それはないんです」
「だからなんでそういうこと 関係者からってなってますけどそれはあり得ません。それはないです」と断言。
この時点でこの人は何も日大のことが分かってないと理解した。お飾りだったのかととっさに思った。1年前の就任時、「膿を出し切る」と啖呵をきったのは夢まぼろしだったのだ。
直木賞をはじめ数々の賞に紫綬褒章まで手にした彼女、ジジイは昭和天皇が崩御された時の雑誌に掲載された追悼文に感激し、切り抜いてスクラップしたが、その価値も半減したかに思え少々落胆している。
この半月の間、内外問わず事件は目まぐるしく起きる。ただ政治だけは落ち着きを持ち、着実に前に進んでほしい。戦後レジームの脱却というと、またその話かという御仁がいるかもしれないが、戦後それが乗り越えられていないのだ。
憲法改正を第一に、細川氏が指摘する経済に関する対抗措置法案もそうだ。あらゆる法整備が先進国に比し遅れている。
維新の馬場代表ではないが、反日野党ではなく日本を真に愛する2大政党の実現が望まれる。政策で切磋琢磨できるそんな日本に早くなってほしいものだ。
今日、8月6日は広島に原爆が投下された日だ。広島では記念式典が開かられる。
いつもの通り、広島市長は日本が「核兵器禁止条約」に署名をしていないことを批判してきた。しかし現実を見れば、日本の防衛はアメリカの核で守られているのが現実である。そのお陰で78年間日本は自衛隊を軍隊にもせず、一度も他国と戦争をせず平和を守ってきた。その現実を語らずして日本政府批判は片手落ちである。署名しない日本を批判する前に、この現代において猛烈なスピードで核兵器を生産する中国を批判するのが筋ではないか。
今朝、広島市の平和公園で「平和記念式典」が開催された。
式典スピーチで広島・松井市長は「核の抑止力は破綻した。核抑止論から一歩踏み出すべきだ」と核兵器廃絶を訴えた。湯崎広島県知事は「一部の核保有国が核増強をしている」と訴えたが、一部ではなく “ 中国 ” とはっきり言わなければ子供にはわからない。世界に向け、核廃絶を訴えるのに “ 内弁慶 ” であってはならない。堂々と訴えてこそその本気度が世界に伝わるのだ。覚悟の無い言葉に説得力などあり得ない。
ロシアの侵略に始まった現実の戦争を私たちは見ている。広島、長崎からの覚悟のあるメッセージこそ世界に響く。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません