電波オークション
Vol.1-10.15-275 電波オークション
2020.10.15
3年連続ノーベル賞が期待されたが残念ながら今のところ厳しい。
そんな中、スウェーデンの王立科学アカデミーは、日本時間の12日午後7時前、ことしのノーベル経済学賞の受賞者を発表した。
アメリカ・スタンフォード大学の2人の研究者「ポール・ミルグロム氏」、それに、「ロバート・ウィルソン氏」が選ばれた。
電波の周波数の割り当てなどに使われるオークションの研究や実用化に大きく貢献したことが理由で、王立科学アカデミーは、「電波の周波数の割り当てなど、従来の方法では売ることが難しかったモノやサービスに使われる新たなオークションの制度設計を行い、世界中の納税者などの利益につながった」としている。
『2人の研究成果は、1990年代のアメリカで、それまでは政府の認可手続きが必要だった電波の利用免許について、より高い金額を示した事業者に割り当てる、「電波オークション」の制度設計に役立てられた』ということだ。
『電波オークションは手続きの透明性や効率性を高めるとして、現在までに世界各国で実施されている』というではないか。
日本でも一時、検討されたような話はあるが一向に進まない。大いに日本でもこの話は盛り上がってほしいものだ。
上記内容はネットで知ったことだが、12日発表と言うことは遅くとも13日の朝刊には載るはずだが、全国紙はどこも伝えていない。
何故か? 日本人の受賞ではない、と言うこともあるが、各新聞社はテレビ局を持っている。『電波オークション』などという言葉は聞きたくない。できればスルーしたいと言うのが本音のようだ。
各テレビ局は電波を独占している。まさしく既得権益として決して放したくないのである。
因みに各テレビ局の電波使用料である。
<事業所名><電波利用料の負担額>(テレビ局の売上高)
NHK / 2,179百万 (7,122億円)
フジテレビ / 474百万 (6,314億円)
日本テレビ / 524百万 (4,265億円)
テレビ朝日 / 486百万 (2,936億円)
TBS / 488百万 (2,103億円)
テレビ東京 / 467百万 (1,452億円)
売上高に比しかなり安い使用料と思える。
これが、オークションにより高い価格を提示した企業に割り与えられたとしたら、既得権益は消え新聞とほぼリンクした形の偏向報道は少なくなり、多様なメッセージを視聴者は受けられることになるだろう。
たとえば今話題の「日本学術会議」である。各紙の社説だが、
【朝日新聞・テレビ朝日】
・学問の自由を脅かす暴挙 ・説得力のない首相の説明 ・論点のすり替え目に余る
【毎日新聞・TBS】
・看過できない政治介入だ ・これでは説明にならない ・理由示せないなら撤回を
【東京新聞・テレビ東京】
・任命拒否の撤回求める ・説明拒む政府の不誠実 ・強権的手法は許されぬ
【日経新聞】
・何故学者6人を外したのか
全体主義でもあるまいしすべて徹底した批判記事だ。普通こんなことがあるのか。これが、各社のテレビを通じて全国へ同じメッセージが流される。この偏向が局の多様化で新たな言論空間が生まれると思われる。
『電波オークション』で硬直したテレビ電波が矯正され、多様な映像や様々な意見によって視聴者の見識が高まることが望ましい。当然だが、参入には高い倫理と品格を持った厳しいルールが必要であることは論をまたない。
以前、日本でも検討されたと聞くが、何が問題だったのか、ノーベル賞を機に改めて行政改革の一環として検討していただければ夢はふくらむというものだ。