尾身茂会長の役割とは
Vol.2-8.27-591 尾身茂会長の役割とは
2021.8.27
尾身茂・新型コロナ感染症対策分科会会長の本来の肩書は、独立行政法人 地域医療機能推進機構 理事長、名誉世界保健機関(WHO) 西太平洋地域事務局 事務局長である。
フリーランスライター・加藤紀子氏は
「2019年末から世界中で猛威を振るい、社会を大きく変えた新型コロナウイルス。世界が道なき道を進む中、日本国内でコロナ対策の旗手となった。
新型コロナウイルス感染症対策分科会長として、年末年始の「GoToキャンペーンの一時停止」を政府に提言。国民に向けて感染リスクが高まる「5つの場面」への注意喚起、忘年会・新年会、帰省への自粛を呼びかけるなど、感染拡大防止に重要な役割を果たしている。」と尾身茂氏評価した。
尾身氏の発言は最近、新型コロナウイルス感染症対策分科会長としての役割以上の発言が目立ち、その影響か、官邸とのコミュニケーション不足が生じているのではないか。
いくつかの発言を追ってみる。
6/2
「普通は五輪開催はない。このパンデミック」
「そもそも五輪をこういう状況のなかで何のためにやるのか。それがないと、一般の人は協力しようと思わない」
6/7
「私どもの役割は、開催を決定する権限もないし、立場でもない」
「どういうリスクがあるのか、どう低減できるか、選択肢も含めて示すのは我々の責務だ」
6/18
無観客開催が「望ましい」。感染拡大と医療逼迫の予兆があれば無観客とするよう求める。
6/22
「いまの状況で(五輪を)やるというのは普通はない」
8/25
東京都を中心に医療崩壊に近い状況になったことは、東京五輪の開催決定が国民に「矛盾したメッセージとなった」
8/25
「国会の議論もオンライン化を」提言。
※この発言に対するネット反応である
・尾身会長自身の会見も、オンラインにしたら?
・コロナ分科会をまずオンラインでやるべきだ
・今までオンライン診療に反対してきた医師会が何言ってんのよ
・人に言う前に、尾身会長も囲み取材断われよ
8/25
尾身会長は皮肉交じりに「国民にお願いしているんだったら、オリンピックのリーダー、バッハ会長、なんでわざわざ来るのか。普通の常識ならできるはずなんですね。もう1回来たから、銀座も1回行ったんでしょう。私は専門家会議というよりも、一般庶民として、そう思います」と発言。
これには多くの国民も反応した。
・尾身会長頑張って下さい。賛同者たくさんいます!
・国民の声をよく代弁して下さいました。 尾身会長ありがとうございます。
・尾身会長が 総理やってくれよ。もう無能菅じゃむりだわ。
・尾身さん、ついに政治家になっちゃったね。バッハ批判をするのは専門家ではなく政治家ですよ
・あれ、菅総理の記者会見で隣に立ってるの尾身会長じゃないですか。え、なんでリモートしないんですか?バッハさんにまでリモートしろと言っておきながら。まずあなたが家にこもってリモートして国民に見本を示さなくては。人にエラソーなことを言う前に自分がやってみなさいよ。
8/26
「もう少し臨時の医療施設などを作らないと今の状況には対応できない。どのくらい必要かは、これからの感染の動向にもよるが、既存の法律でできるので、国や自治体の長の決断だ」と対応を促した。
この発言こそが本来尾身会長に期待されたことではないか、それももっと早い段階での提言と行動が必要だったのではないかと思われる。
このように発言経緯を見て行くと、立ち位置に一貫性を欠く。逆に、はみ出した意見に対し閣僚が意見を闘わせた形跡がないのも問題である。
6月7日の「私どもの役割は、開催を決定する権限もないし、立場でもない」という発言のように、尾身氏の役割は、医療の立場で危険値情報を正確に伝えることであって、その後のことは政治家が判断することである。
政治的発言は国家を背負う覚悟と責任を持たなければならない。己の発言がどのように世界に影響を及ぼすか。特に外国の要人を非難するのであればなおさらである。
世界一の病床を誇る日本が、最も入院患者の受け入れに苦慮する実態は問題である。コロナ終息の暁には大至急医療改革が必要である。尾身氏にはその強力な旗振りを期待したい。
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