米中格差

世界,日本,雑記

Vol.3-02.19-767   米中格差
2022.2.19

世界第二位の経済大国になった中国、すでに宇宙ステーションまでつくる技術を身につけた。アメリカのファーウェイへの排除圧力がかからなければIT部門でも勢いはさらに増していた。

現在、中国は14億の人口が寄与している部分があるとはいえ世界一が13もある。
• 中国工商銀行 – 時価総額、預金残高および総資産が世界最大の銀行。
• 中国銀聯 – 世界最大のキャッシュカード発行会社。
• 中国人寿保険 – 時価総額が世界最大の保険会社。
• 国家電網 – 世界最大の電力配送会社。
• 中国国際航空 – 時価総額が世界最大の航空会社。
• 中国北車 – 世界最大の鉄道車両メーカー。
• ハイアール – 世界最大の家電メーカー。
• レノボ – 世界最大のパソコンメーカー。
• 華為技術 – 世界最大の通信機器メーカー。
• 海天国際 – 世界最大の射出成型機メーカー。
• アリペイ – 世界一利用者数が多いオンライン決済企業
• 中国移動通信 – 契約者数世界一の携帯電話通信事業者。5億人。
• 中国電信 – 契約者数世界一のブロードバンドインターネットサービスプロバイダー(ISP)。55,000,000人。

先日、評論家・石平氏が北京大学国際戦略研究院が発表した「技術領域における米中競争、分析と展望」と題する報告書について解説するコラムがあった。

報告書の内容である。
『全体的に見れば米国の先端技術が世界をリードしており、多くの領域において、中国よりかなり進んでいる』と結論を出している。

そうした上で、
◆ 中国の一部の領域で先頭を走るケースもあるが、大半の領域ではアメリカより立ち遅れており、全く空白の領域もある。

◆ 技術領域におけるデカップリングが米中双方に損失を与えているが、中国が被った損失のほうがはるかに大きい。

◆ 半導体製造やAI産業の核心技術の面で米国から切り離された結果、中国の関連産業は大きな打撃を受けて沈没の道をたどり、中国の発展にとって最大のネックとなっている。

では、中国がアメリカに立ち遅れている理由である。

① AI技術の領域で、中国トップクラスの技術者の56%は、すでに米国に移住しており、国内にとどまっているのは34%にすぎない。

② アメリカに留学する中国人の88%は実際に米国に住むことを選んでおり、あるいは今後においてこう選択する志向であるという。

このように報告書は現在の中国の政治状況下で、許されるギリギリの範囲内で技術領域の米中競争における中国の敗北と劣勢を明確に認めている。

中国人エリート技術者や留学生の大半が生活と仕事の場として本国ではなく、なぜアメリカを選んでいるのか。

報告書は、そこは政治的に敏感な問題でありいくら北京大学の研究院とはいえ立ち入るのは危険である。

しかし、石平氏は、その理由は明白であるとした。

*中国とアメリカ、どちらが個人の自由や権利が保護されているのだろうか。どちらに、より健全な政治制度と社会制度と教育制度があるのだろうか。

生身の中国人エリートたちは自分の人生を選択するとき、さらに子供たちの将来を考えるとき、中国とアメリカのどちらを選ぶのか、もはや自明のことではないのか。

つまり、アメリカが中国より優れているのは何も先端技術だけのことではない。国家全体の文明度における米中の格差はあまりにも大きい。と結論づけた。

「北京大学国際戦略研究院」のこの報告書、習近平氏もきっと目にすることだろう。石平氏は「許されるギリギリの範囲・・・」と言ったが、果たして大丈夫なのであろうか、他人事ながら心配する。

この米中格差を習氏はどう乗り越えるつもりか。

着々と宇宙制覇に乗り出している。宇宙から攻撃に出ようというのか。地上ではアメリカと同じ3億の人間を米本土に肉弾戦に持ち込むつもりであろうか。14億の内3億は微々たるものである。そのくらいのことはやりかねない。

中国もロシアも領土大国として同質である。今、まさにロシアがウクライナ攻撃に出ようとしている。完全に過去の強烈な独裁者の亡霊にとりつかれ足元を見失っている姿は同類である。

石平氏の言うように、中国エリートに自国を敬遠されるようでは永遠に米中格差は埋まらないであろう。

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