中国の不都合な真実・通州事件

世界,日本,雑記

Vol.3-7.29-927 中国の不都合な真実・通州事件

2022.07.29

今から85年前の今日、中国・北京東方の城郭都市・通州で日本人居留民225人が惨殺された。今日はその通州事件が起きた日である。

しかし、多くの人はこの事件を詳しく知らない。何故なら、天下の岩波書店ですら近代史年表に書いていない。それに倣ってか、多くの歴史書や歴史年表に書かれていないのだ。

私は毎朝、NHKラジオを聴くが、朝の定番「今日は何の日」というコーナーがある。過去に起きた事件や世の中に大きなインパクトを与えた事象を4、5件紹介する。
今日は、「昭和53年の今日、17年振りに復活し、両国の花火が打ち上げられた日」「沖縄から米軍爆撃機B52が初めてベトナムに飛びたった日」「イチロー3000本安打達成」などが紹介されたが、世界でも類例のない残酷な「惨殺・通州事件が起きた日」が紹介されることはなかった。NHKは進歩的文化人?の一人なのか、今なお中国に気を使う “ 度の過ぎた美徳 ” なのか、悲しすぎる日本の姿がここにある。

昨日の産経新聞に、拓殖大学教授・藤岡信勝氏が「通州事件はなぜ防がなかったのか」という論説記事があった。

その一部を紹介する。

「7月29日は中国・北京東方の城郭都市・通州で日本人居留民225人が惨殺された通州事件の85周年に当たる。加害者は本来日本人の保護を任務とする親日地方政権の治安部隊で、彼らは日本軍から武器・弾薬を支給された軍事訓練を受けていたにもかかわらず裏切ったのである。

武装した3千人の反乱部隊は午前零時を期して5つの城門を閉鎖し、電話線など通信手段を切断し、城内を密室状態にした上で凶行に及んだ。初めに日本軍守備隊、特務機関、警察署などを襲撃し、次いで日本人が居住する民家や旅館を襲った。

事件は計画的であった。日本人の家屋にはあらかじめチョークで目印がつけられており、戸籍調査でつかんでいた家族を残らず路上に引き出して全裸にし、書くのもはばかれるような撲殺・強姦・陰部刺突・眼球えぐり・・・

米人ジャーナリストのF・V・ウイリアムズは「古代から現代までを見渡して最悪の集団屠殺として歴史に記録されるだろう」と書いた。

詩人・西條八十は「通州の虐殺 忘るな七月二十九日!」と題する詩を書いた。

藤岡氏は、「あれほど残虐な所業をなした中国人に対して、日本の統治下に暮らす中国人への報復は一件もなかった。それどころか、横浜の中華街では中国人を護るための自警団が組織された。現地・北京でも凶行を働いた末に流れてきた保安隊員に食事を与えたという。・・・度外れの美徳はもはや悪徳である」断罪する。

藤岡氏でなくとも度の過ぎた美徳?には怒りを通り越し、日本に対する反逆行為ではないかとさえ思う。

ところでこの通州事件、渡部昇一氏の「日本の歴史・⑥・昭和編」に記述があるので一部を紹介したい。

「東京裁判において弁護団は、通州事件について外務省の公式声明を証拠として提出しようとしたが、ウェッブ裁判長によって却下された。この事件に触れると、シナ事変は日本ばかりが悪いと言えなくなってしまうという判断があったのは、言うまでもない。

ただ、通州事件の目撃者三人の宣誓口共書だけは受理された。あまりにも残虐な内容であるけれども、その一つ、元陸軍少佐の証言をあえて引用したいと思う。」

「守備隊の東門を出ると、数間ごとに居留民男女の死体が横たわっていた。某飲食店では、一家ことごとく首と両手を切断され、十四、五歳以上の夫人は全部強姦されていた。旭軒という飲食店に入ると、七、八名の女が全部裸体にされ、強姦刺殺され、陰部に箒を押し込んである者、口中に砂を入れてある者、腹部を縦に断ち割ってある者など見るに堪えなかった。東門の近くの池では、首を電線で縛り、両手を合わせて、そこに八番線を通し、一家六名数珠つなぎにして引き廻した形跡歴然たる死体が浮かんで居り、池の水は真っ赤になっていた。夜半まで生存者の収容に当たり、『日本人はいないか』と叫んで各戸ごとに調査すると、鼻に牛の如く針金を通された子供、片腕を切られた老婆、腹部を銃剣で刺された妊婦などが、そこここの塵箱の中やら塀の蔭から出てきた」

これが人間のやることだろうか。いや、人間ではあるまい。日本人には考えられない残虐性だ。

この通州事件については、戦後、ほとんど語られなくなった。なぜなら、この事件のことを言い出すと、「中国は善玉、日本は悪玉」という構図が崩壊してしまうからである。

現在、最も詳しい近代史年表とされている岩波書店の『近代日本総合年表』は、八百ページを超える大冊であるが、昭和12年のことは一行も書かれていない。おそらく、意図的にはぶいたのであろう。と渡部昇一氏は書いている。

進歩的な歴史家や文化人たちは、日本人であるのにこのような事実を故意に隠して、日本がシナを一方的に攻撃していたと言い続けてきた。今も、何かと言えば日本が悪いと言い続ける左派系人がわんさといる。TVコメンテーターしかり、テレビ局自体がその役割を担っている。何とも悲しいことだ。

8月15日近くになると、真珠湾攻撃、特攻隊、沖縄戦、原爆、戦争悪がこれでもかというほど連日放送される。それは暗に日本を批判したものである。果たしてこの夏、85周年になる「通州事件」を詳しく伝えるテレビ局があるだろうか。興味あるところである。

できれば特別番組「通州事件~闇に包まれた惨殺の実態~」(仮称)を国家が覚悟をもって制作し、放送すべきではないか。そのことこそが「戦後レジームからの脱却」につながると確信する。

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