地球上で最も危険な地域

世界,日本,雑記

Vol.3-11.7-1028  平和の羅針盤 ~自由で開かれたインド太平洋~

2022.11.07

台湾海峡を誰が、“ 地球上で最も危険な地域 ” などと思うであろうか。

「昨年5月に発行された英国のエコノミスト誌は、台湾の西大西洋における地政学的価値を『地球上で最も危険な地域』と位置付けていることを、台湾をロックダウンするレーダーチャートを表紙にすることで示しています」

これは、月刊誌Will12月号・「台湾になぜ 安倍総理の銅像か」の中の一節だ。この寄稿文は張吉雄・紅毛港保安堂会長から寄せられたものである。

そしてその続きには
「エコノミストは、台湾が九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ軍事的防衛ライン『第一列島線』の中心にあり、19世紀の米国の戦略史家アルフレッド・マハンが『中央に位置する』と呼ぶなど、大きな重要性を持っていると説明しています」

「全世界の主要な航路は、バシー海峡からマラッカ海峡を通り太平洋とインド洋を結ぶ海上航路です。ここは日本が主張する千海里の海運の生命線で、台湾はバシー海峡と台湾海峡の間に位置しています」

※<バシー海峡は、中華民国台湾島南東の蘭嶼に隣接する小蘭嶼と、フィリピン領バタン諸島最北のマヴディス島との間にある海峡を指す>

「琉球が日本の地図に組み込まれて以来、・・・日本海運の生命線上、最重要の戦略的位置にあります」

ここに、日本が台湾海峡、いわゆる台湾が安全保障上、最も重要であるかが読み取れる。

「台湾海峡が日本にとっても大切なシーレーンだからです。日本はペルシャ湾の産油地域から1日あたり平均で百万バレル以上の石油を輸入しているため、少なくとも1日20隻の10万トン級大型タンカーがマラッカ海峡と台湾海峡を通過しています」

もし台湾海峡で戦争が起きれば、経済の混乱を引き起こすのは火を見るよりあきらかである。

安倍元総理は昨年12月にも「新時代の日台関係」と題するオンライン演説で
「日本は台湾に対する武力攻撃を容認できない」
「台湾有事は日本の有事、すなわち日米同盟の有事でもある」と、
また、同時に
「自由で開かれたインド太平洋すなわち、台湾と日本が位置する広大なインド太平洋の海は、国際法の下で自由で開かれた海を維持し、もちろん力によって一方的に現状変更することを許してはならない」と述べた。

「これらの発言は多くの台湾国民に勇気を与えてきました」と張氏は感謝を込めた。

安倍総理の多くの発言から、ようやく国際社会は台湾海峡の安全保障問題に注目し始めたという。

そして
「安倍元総理は『台湾有事は日本の有事である』と政治的知恵を巧みに提唱し、2007年にはクワッド(米国・日本・インド・オーストラリア)を発起し、中国の台頭に対応、その後『インド洋ー太平洋』両洋の概念を『インド太平洋』は一つであるという原型を積極的に立ち上げた」

「2016年11月、トランプ前大統領と安倍元総理は東京で『自由で開かれたインド太平洋構想』の概念を共有する国々と協力する意向を表明し、基本的価値の向上、経済的繁栄の追求、平和と安定の3つの基盤で協力することを約束しました。これにより戦後初めて日本が国際政策を主導し、米国の支持と肯定を得たのです」

「これら海洋民主主義国の大同盟は、安倍元総理の功績であると同時に中国の台頭を食い止め、自由で開かれたインド・太平洋の秩序を固める方法でもあります」

と書いておられる。

安倍総理が凶弾に倒れた翌日、追悼会場を設置して寄付を募り銅像建立が実現した。

台座には「台湾の永遠の友人」、隣には「台湾加油(がんばれ台湾)」の石碑がおかれた。

孔子、孟子を生んだ中国、その孔子を文化大革命で破壊した。かたや日本では本家以上に論語が隆盛を極める。大国とは何をもって大国と定義するのか。その定義でその国の価値が分かろうというものだ。

「自由で開かれたインド太平洋」、改めてこの概念の素晴らしさに驚くと共に、世界の海はこの言葉を「平和の羅針盤」としていくのではないだろうか。

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