“ 個人独裁はいらない ”
Vol.3-11.30-1051 “ 個人独裁はいらない ”
2022.11.30
よくぞ言った! “ 個人独裁はいらない ” “ 習近平退陣せよ ” “ 共産党退陣せよ ” このように直接的に批判したのは、今から33年前の1989年6月4日、天安門事件以来ではないか。
果たして天安門の再現となるのか。さぞかし習指導部は頭を抱えていることであろう。
報道によれば、事の発端は、新疆ウイグル自治区ウルムチで24日に起きた住宅火災。封鎖措置で消火活動が遅れたとみられ、10人が死亡。その後に同市内で大規模な抗議活動が起き、上海市や湖北省武漢市、四川省成都市、陝西省西安市などに拡大した。という。
行き過ぎた防疫措置で病人の搬送に時間がかかり、手遅れになるといった事態が各地で起き、ゼロコロナ政策に苦しむ庶民の怒りに火がついた。とニュースは伝えた。
習氏の母校、精華大など各地の大学でも抗議活動が行われたようだ。
英BBC放送の記者が取材中、当局に殴る蹴るの暴行を受け、一時拘束されたというニュースもある。
東大・阿古智子教授は
「中国各地に広がった『ゼロコロナ』政策への抗議活動からは、たまっていた民衆の不満が臨界点に達した様子が見て取れる。強権的な新型コロナウイルス対応で、落とさなくてもいい命を落として人や不況に悩む人も少なくない。苦しむ人々の声を言論統制でかき消してしまう国のやり方に疑問を持ち、『このまま奴隷になってはいけない』と思い始めたのだろう。
今は若者の失業率も高く、就職先も見つからないなど希望が見いだしづらい状況だ。3期目入りした習近平指導部もイエスマンばかりで、成果と誇るゼロコロナも『失敗』と認められない。サッカー・ワールドカップでノーマスクの観客などを見て、自分たちを苦しめる政策が今後も続くことへの絶望感が爆発した。
中国では監視カメラも多い公の場での抗議はリスクあるが、今回のデモは人数も多い。新疆ウイグル自治区の火災が、SNSで拡散したことなどで政策の問題に気づき「人が多ければ特定されにくい」との意識も手伝い、勇気をもって参加した人もおおいのではないか。」と語った。
テレビニュースを見ても「自由」という言葉が飛び交っていた。ウクライナが命をかけ自由を守ろうとしていることも “ 自由 ” というものへの関心が深まったのではないかと推測する。
ヤフーニュースは
「11月28日、中国でパンデミックが始まって以来初めて4万人を超える新型コロナウイルスの新規感染者が報告され、同国の厳しい「ゼロコロナ政策」の有効性に疑問符がついた。
中国の国家衛生健康委員会は28日、有症状および無症状の新規患者は4万347人と発表し、中国の1日の新規感染者としては過去最多となった」と伝えた。
14億いてたったの4万人が過去最多とは信じられないが。
(中国では)「ロックダウンと集団検査に重点を置いているため、中国では高齢者など社会的弱者のワクチンやブースターの接種率は依然として非常に低い」
「 米ワシントン・ポストによると、中国の高齢者の接種率が低いのは、ワクチン接種の対象を19~60歳に限定するという当初の政策に起因する。 また、感染者が急増し続ければ、準備不足の医療システムを急速に圧迫する可能性があると、複数の保健当局者は先週警告した。そのうちの1人は、中国の集中治療室のベッド数は人口10万人に対して4床以下だと指摘した」
米テレビCBSニュースの報道番組でアンソニー・ファウチ博士は、
中国の問題点として、
① 効果のあるワクチンを持っていない
② 効果の高い外国製ワクチンを承認しない
③ 中国の人々は、国産のシノファームとシノバックのワクチンを接種。モデルナとファイザーが製造したワクチンを承認していない
オミクロン株感染者の大半は軽症であるため、専門家は重症者の治療に重点を置くようアプローチの変更を求めている。これは、ウイルスの蔓延を抑制することに注力してきた中国政府のアプローチの転換を要する。
厳しいロックダウンは中国国内でのウイルスの局所的な広がりを効果的に抑えることはできなかった。一方で、経済的な問題や食料不足を引き起こし、新型コロナ以外の医療を受けられないといった事態を招いている。
ロイター通信によると、新たな抗議行動を阻止するため、北京と同国最大の都市である上海では警察官の配置が増強されたという。
習政権、“ 警察官の増強 ” ということは今まで通り、「ゼロコロナ」政策を進めるということだ。人民日報の社説も「ゼロコロナ」政策が今後も続くと示唆している。果たして、民衆はどう動くか、かなり緊迫するのではないか。
ただ、習近平政権が国民の不満払拭に、台湾侵攻に踏み切る可能性も捨てきれない。
コロナウイルスもそうであった。年末年始になると問題が発生する中国。
デモの成り行きと習政権の動向、緊張感をもっての注視が必要である。
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